出版社内容情報
「<万里眼>を出せ」。Z県警通信指令室に頻繁にかかってくるようになった<出せ出せ男>からの入電。身元を特定する手がかりはまったくない。気味の悪さを感じつつ、今日も市民からの通報に対応していた早乙女廉は、男の子から『宇宙人にさらわれた』という一報を受ける。信じがたい内容に動揺していると、ほかならぬ<万里眼>その人、君野いぶきがいつものように割り込んできて――。電話越しに事件解決、空前絶後の警察ミステリ!
内容説明
「万里眼を出せ」。Z県警通信指令室に頻繁にかかってくるようになった“出せ出せ男”からの電話。身元を特定する手がかりはまったくない。気味の悪さを感じつつ、今日も市民からの通報に対応していた早乙女廉は、男の子から『宇宙人にさらわれた』という一報を受ける。信じがたい内容に動揺していると、ほかならぬ“万里眼”その人、君野いぶきがいつものように割り込んできて―。電話越しに事件解決、空前絶後の警察ミステリ!
著者等紹介
佐藤青南[サトウセイナン]
1975年、長崎県生まれ。2010年、第9回「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞を受賞し、翌年『ある少女にまつわる殺人の告白』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
109
シリーズ2作目。警察組織が、このようにほのぼのしているとは思えませんが、やわらかい警察小説は、個人的に好みです。すでに3作目も発売されているようです。楽しみなシリーズです。2023/01/26
タイ子
103
シリーズ第2弾。県警通信指令室の万里眼と呼ばれる君野いぶきの推理が今回も冴える。電話越しの事件解決方法がなんだかやみつきになりそう。「ひき逃げ犯は誰だ」を見事に推理したいぶきだが、普通ひき逃げ事故は交通係が現場を見て鑑識が地を這うように証拠品を探してやっと犯人に辿りつけるものなのに、この推理力はすごい。「おかしな訪問者」は推理しながら読んでいたけどまさかの事実にニヤリ。早乙女にイラつきながら、だんだん自分が判ってきたようで少しは成長したかなと。管理官のお菓子の趣味と配るシーンが好き。続編があれば読みたい。2022/05/22
ma-bo
99
事件を引き寄せるイケボの早乙女君と、通話の情報だけで解決に導く「万里眼」こと君野さん。通信指令室を舞台にしたシリーズ2作目。意味不明に思える通報が、通話の内容だけで解決に導かれる短編集。サクサクと読めて楽しめます。前作で恋愛要素はもっと少なくてもと書いたけど、そういう設定と理解して読んだので思いのほか気にはならなかったかな。2023/03/14
ベイマックス
89
シリーズ2作目。君野さんは早乙女君が不器用だから好意を持ったのだとしたら、好意を気づかれないのは仕方ない。好意に気づくような男性だったら好意を抱かなかったような気がする。推理物としても登場人物のキャラクターとしても、面白く読めました。2024/02/20
aquamarine
80
電話情報のみで事件を解決に導く指令課員「万里眼」シリーズ2冊目。前作はとにかくラブコメ部分がしんどくイライラしたが、読友さんからそれについて納得する説明をいただいたので、今回は同じ状態でもイライラせずに読み進められた。宇宙人に攫われたと説明する少年、撮り鉄に盆栽を壊されたと憤慨する老人、訪問宅の電話から110番してきた男、三人のひき逃げ犯、そしてラストはミキちゃん関連。無理のありそうなものもあるけれど、よくこれだけの情報で、と納得できて、好感が持てる。事件の当事者たちのその後が悪いものでないことも嬉しい。2023/07/15