出版社内容情報
この世で一番大事なものは「カネ」だ! 巨大銀行の闇を暴く衝撃のミステリ
内容説明
入行三年目の銀行員・結城が配属されたのは、日陰部署と囁かれる渉外部。落胆する結城はある日、上司である伝説の不良債権回収屋・山賀に伴われ、小さな町工場を訪ねる。多額の負債を抱え破産寸前の工場を、山賀は鮮やかな交渉術で救うことに成功。山賀の美学に惚れ込んだ結城は、彼の背中を追い業務に邁進する。だが、山賀が何者かに殺され―。巨大銀行の闇に立ち向かう男たちの熱き想いが炸裂する渾身の金融ミステリ!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
126
シャイロックはベニスの商人の血も涙もない取立屋。今回の主人公は、メガバンク入行3年目で営業部から日陰部署の渉外部に転勤になった結城慎吾。上司の山賀から債権回収の極意を学び、山賀が殺された後も債権回収に邁進する。工場経営者、新興宗教、元衆議院議員、暴力団のフロント企業の債務者を相手に債権を回収しようと戦う姿が頼もしく痛快。銀行業務における明と暗、定期的な行員の異動で誰も責任を取らないという倫理観の欠如など、本作品でも不条理を指摘する中山節が炸裂。長男が銀行にいたので是非感想を聞いてみたい。2021/06/19
のり
125
同期出世頭の入行3年目の銀行員の「結城真悟」は渉外部に異動し、シャイロックの異名を持つ「山賀」と出会い債権回収のイロハを学んでいた矢先に、まさかの事件が起きる…エースを失った渉外部は、山積する事案に対処しようとするが、結城がシャイロックの後継者に名乗り出る。暴力団のフロント企業・元政治家・宗教団体等のクセの強い債権者達からの回収劇は面白かったし、事件解明もしてやられた。銀行の表と裏の業務はどちらも大変だ。2021/02/24
KAZOO
97
中山さんがこのような銀行員が主人公のものを書くとは思いませんでした。主人公は3年目の新人のような感じですが、3年目でこのような債権回収の仕事をやるとは驚きです。しかも先輩のベテランの債権回収人があっけなく殺されてしまいます。それでも話としては主人公が独り立ちしていく過程をうまく描いてあり(あまりありえないのですが)、事件も決着を観ます。2022/03/13
キナコ
91
銀行員ものは初めてだったけど、とても楽しめた。はじめは専門的な用語もあり、あまり銀行と関わったことがない自分としては読みにくさがあったが、後半に書けての結城の成長やお金の回収の必要性が伝わってくる。どんでん返しとまではいかないが、主人公の成長と銀行の必要性がわかる一冊かな。2024/02/06
涼
84
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/09/post-a08206.html 結城が知らず知らず山賀の影響を受けていたのが、興味深かったです。最後の「最大の褒め言葉」に納得です。2023/09/02
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