出版社内容情報
孤島に招かれた10人の男女、死刑宣告から始まる連続殺人――有栖川有栖があの名作『そして誰もいなくなった』を再解釈し、大胆かつ驚きに満ちたミステリにしあげた表題作を始め、名作揃いの豪華な短編集!
内容説明
仮想通貨で成功した若き大富豪によって“海賊島”に招待された10人の男女が巻き込まれる不気味な連続殺人事件―クリスティの名作を大胆に再解釈した表題作をはじめ、書店店長の名推理が痛快な「本と謎の日々」、肥大化した男の欲望と巨大生物の暴挙に恐怖する「怪獣の夢」、遊び心に満ちたタイポグラフィが楽しい「線路の国のアリス」など多彩な14篇を収録。ジャンルを超越した物語世界の魅力を堪能できる、唯一無二の作品集!
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年生まれ。大阪府出身。同志社大学法学部卒。89年『月光ゲーム』で作家デビュー。書店勤務を続けながら創作活動を行い、94年作家専業となる。2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞。1992年に始まった、推理作家・有栖川有栖と犯罪学者・火村英生のコンビが活躍する「火村英生(作家アリス)シリーズ」は、今も人気を誇り、18年に第3回吉川英治文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えにくす
121
ミステリーやファンタジー作品を集めた、有栖川作品の中短編集。表題作は有名な名作のオマージュだが、なかなか読み応えが有った。犯人は当てたが、もう一つの真相には驚いた。他のお気に入りは、バッドエンドかトゥルーエンドか評価が分かれる「劇的な幕切れ」恐るべきダークファンタジーの「妖術師」明智小五郎や二十面相が、物語の世界から飛び出す「未来人F」。全体としては予想以上に面白く、テレビ番組の「世にも奇妙な物語」や、星新一のショートショートを連想させる。ドキドキする話あり・怖い話ありで、夏の夜にピッタリの作品だ。★42022/07/04
涼
87
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-12e589.html 有栖川小説の見本市とのことです2022/02/26
mihya
78
ショートショートから短編、中編まで色んなジャンルをまとめた1冊ってとこらしい。 まずは表紙がむっちゃ好み。これに惹かれて読んだ。 中身は面白いと感じるものもあったが、あれ?って感じのもあり、全体的には玉石混交って感じ。「本と謎の日々」が1番好みだった。2023/03/25
おっしー
48
ミステリー以外の作品も含まれている14編の中短編集。読んでいてワクワクする物語が詰まっていて、楽しく読めた。色んなジャンル書けるんだなぁ。「線路の国のアリス」がお気に入り。ファンタジー要素がたっぷり盛り込まれていて新鮮だった。終盤のアリスが詰められる場面がどう話が進んでいくんだ…?と本当に線路の国に迷い込んでしまった感じがした。表題作の探偵のキャラも若干鼻につく感じが好みだった。あとがきや解説を読むと多くの作品のオマージュがされているというところもあって、本格ミステリーをもっと読むと楽しめるのかも。2022/06/25
うまる
48
デビュー30周年記念を飾った作品の文庫版。ノンシリーズのバラエティに富んだ短篇集+中篇。気になるのはやはり表題作ですよね~。目次を見た時は、なんだ表題作は最後かぁと思いましたが、他の作品も楽しめたので、最終話に向けて気持ちが高まり結果的には良かったです。テーマありで依頼されたアンソロジー用作品が多数あるからか、最初の頃のガチ論理ミステリのイメージしかないわたしには、こういう話も書くんだと新発見でした。著者自身のあとがき解説があるのも嬉しいです。好きなのは『線路の国のアリス』と本屋さんの話の『本と謎の日々』2021/12/11