出版社内容情報
大川のほとりに佇む〈初秋亭〉には、江戸中の悩みがひっきりなしに届けられる。隠居後の悠々自適な生活を夢見ていた元同心の藤村、大身旗本の夏木、商人の仁左衛門の三人組は、積み重ねた経験を武器に一風変わった依頼の解決に邁進する。豪商〈高瀬屋〉の旦那が持ち込んだ依頼は、跡取り息子が惚れたという奇妙な金魚屋の娘の身辺調査だった。一線を退いても、生涯働き盛り! 海千山千の老兵たちの活躍描く、痛快時代小説。
内容説明
大川のほとりに佇む“初秋亭”には、江戸中の悩みがひっきりなしに届けられる。隠居後の悠々自適な生活を夢見ていた元同心の藤村、大身旗本の夏木、商人の仁左衛門の3人組は、積み重ねた経験を武器に一風変わった依頼の解決に邁進する。豪商“高瀬屋”の旦那が持ち込んだのは、跡取り息子が惚れたという金魚屋で働く娘の身辺調査だったが…。一線を退いても、生涯働き盛り!海千山千の強者たちの活躍を描く、痛快時代小説。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒。93年に「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞し、デビュー。2015年、「耳袋秘帖」シリーズで第4回歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞、『沙羅沙羅越え』で第21回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
57
金魚の店で働くお初の話が辛かった。貧しさと飢え。理解してもらえないかと不安になったが、夏木の「いや、わしにはお初の気持ちがわかる気がするぞ」「誰もお初を責めることはできない」に救われた思いがした。隠居三人組よりも、その妻たちを中心にした女性たちの起業商いが順調に展開していく様子が愉快で興味深い。2022/06/21
雅
51
元気な年寄りの集まりにも陰りが?ちょっぴり波乱の予感2021/11/19
kei302
37
再読。前の自分の感想を見ると、そうだよねえ…と、今回も同じことを思ふ…。金魚も犬も(!)食べもの、飢饉の凄まじさが哀しすぎます。2023/05/26
ひさか
23
2021年9月角川文庫刊。書下ろし。新シリーズ2作目。通算9作目。河童の竿、餡子の秘、金魚の縁、物語の炎、の5つの連作短編。持ち込まる謎解きと次期町奉行、妻たちの仕事等楽しめる展開が続き、面白い。次の展開が気になる。 2021/11/03
Kira
12
図書館本。初秋亭の隠居三人組は今回ちょっと冴えないかな。それに比べて妻たちは元気いっぱいで、事業展開に夢中。それを阻むような動きが気になるところだけれど。それにしても、ペットが食べ物に見える飢えの構造は悲惨だった。2021/12/10