角川文庫<br> 梟の月

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角川文庫
梟の月

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  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041113332
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

過去の記憶を喪い、妖怪たちの住む世界で目覚めた私は、いつしか彼らと暮らすことになった。妖怪たちに乞われ、物を教える「先生」となり、個性豊かな彼らとの生活を楽しむようになる。だが、どうして私はこの世界に来なくてはならなかったのだろうか。いつも私の傍から離れないアオバズクは、何か知っているのか。ある日、烏帽子を被った一つ目の妖怪が私の前に現れ、二つの月に触れれば、元の世界に戻れるというが……。

内容説明

過去の記憶を失い、妖怪たちの住む世界で目覚めた私は、いつしか彼らと暮らすことになった。妖怪たちに乞われ、物を教える「先生」となり、個性豊かな彼らとの生活を楽しむようになる。だが、どうして私はこの世界に来なくてはならなかったのだろう。いつも私の傍から離れないアオバズクは、何か知っているのか。ある日、烏帽子をつけた一つ目の妖怪が私の前に現れ、二つ目の月に触れれば、元の世界に戻れるというが…。

著者等紹介

小松エメル[コマツエメル]
1984年東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。2008年、ジャイブ小説大賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

73
人は死の直前に走馬灯の様に己れの一生を思い浮かべると云うが…どうやら彼は何度も何度も同じ体験を繰り返すようだ。失った記憶の性でもあろうか?それとも彼本来の性格なのか、ぐずぐずしたやつだと頭に思い浮かべたとたん「ぐずぐずとはっきりしない自分が…」と云う文章が目に飛び込んできた。ここに描かれた先生と云うやつはぐずぐずと情けない奴で、おまけに妖怪達のお情けにすがって生きている。それは記憶を失って己れが見えないからでは無く自意識過剰で他人を拒絶してきたから…彼は人が存在しない妖怪の世に己れを縛り続けるのだろう。2021/09/22

えみ

41
妖怪の世界に迷い込んだ私。たった一人の人間が妖怪たちの「先生」となってようやく日常を生きていける私。最初は全く何もわからない、記憶のない彼がなぜ妖怪の世界にいるのか、いつもそばに寄り添ってくれる梟「朋」の存在とは、人間界と妖怪界を繋ぐという二つの月には一体どんな秘密が、何より彼は誰なのか。躓くような不思議な物語展開。進むと今を置いて過去になり、昔を覗くと現在で目覚める。驚くほど私の感情が薄くて、だからこそ妖怪と私の関係が成り立つ。私に呼びかける声、私の無意識、私の記憶…。妖怪に関わる感覚に優れた作品だ。2025/08/24

MATSU

11
なんだか私にはわからないお話でした。

ゆうら

5
本当のところが掴めそうで掴めない。そんな感じを抱かせる。面白いかと言えば微妙。2022/12/23

みゃお

4
妖怪世界に現れた記憶喪失の”先生”とアオバズクの“朋”。 繰り返される出来事。 かけがえのない人の声。 読んでいる過程で、自身まで迷子になりそうになったのは 初めての感覚。 ラストで、いい感じで裏切られたが、ふんわり暖かい読後感でした。2021/08/26

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