出版社内容情報
本格ミステリ大賞受賞の鬼才が乱歩に挑む!「屋根裏の同居者」「赤過ぎる部屋」「G坂の殺人事件」など乱歩トリビュート5編に加え「骸骨坊主の話」「影が来る」を収録。刺激的かつ挑戦的な珠玉のミステリ!
内容説明
ミステリ&ホラー界の鬼才が、満を持して乱歩の世界に挑む!鬱屈とした男性が、引っ越し先で気づく異変が不穏さを増していく「屋根裏の同居者」。都内某所に存在する、猟奇趣味を語り合う秘密倶楽部の謎に迫る「赤過ぎる部屋」。汽車に同乗した老人が語る鏡にまつわる奇妙な話と、その奥に潜む真相に震撼する「魔鏡と旅する男」など5篇と、『リング』と「ウルトラQ」へのトリビュートを収録。恐怖と偏愛に満ちた珠玉の短篇集。
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
奈良県出身。編集者をへて、2001年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。10年『水魑の如き沈むもの』で第10回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
104
三津田さんの短編集で江戸川乱歩へのオマージュ的な作品となっています。短編とは言いながら様々な趣向があり飽きさせない工夫が凝らされています。また江戸川乱歩の作品を読んだことがない人でも楽しめます。私は最初の作品と「骸骨坊主に話」が楽しめました。2022/03/28
キナコ
45
文庫化していたので購入。再読ではあるが、何度読んでも満足する一冊。江戸川乱歩のオマージュ。乱歩の作品を現代へと変換しているため、より読みやすくなったかな。幻想的に終わらせるのでなく、そこにより理論的な解釈を持ってくる三津田先生の味が出ている作品。ちゃめっけのある作品もあり、とても好み。2022/11/20
あつこんぐ
34
江戸川乱歩の世界に三津田信三がほどよくまぶしてあり、乱歩作品に詳しくなくても楽しめました。特に『G坂の殺人事件』はジーンズがトレードマークのあの人が登場し、三津田先生のサービス精神?にニヤリとしました。『骸骨坊主の話』も面白かったですが、『影がくる』はウルトラQを知らないのでそれほど刺さりませんでした。乱歩もいいけど、三津田信三もいい!!と満足した1冊でした。2022/07/08
ちょん
29
三津田さんの中でもとても読みやすく好きな話でした✨いつもシリーズ物でキャラ勝ちしているなぁと感じるところがあったので単純に短編が新鮮でした。「夢遊病者の手」がとても好き。どの話も情景が目に浮かぶ。江戸川乱歩まだちゃんと読んでないから読まなくてはと思いました⋮(งˋ͈ᵔˊ͈ⱴ)⋮クッ2023/02/05
いなとも
28
中々の傑作。江戸川乱歩は「傑作選」と「名作選」を読了済みだが、この本のゾッとする読後感は本家にも引けを取らない。後半の「リング」「ウルトラQ」のトリビュートもいいね。2022/02/09