出版社内容情報
第一次大戦直後のロンドン。陰のある美形で骨董店の店主・デューイは、あやしい男から訳ありな雰囲気のジュエリーを預かる。その直後、男が殺されて……。骨董屋の兄と検死官の弟が活躍する人気シリーズ!
内容説明
第一次大戦直後のロンドン。骨董店の美形店主・デューイには、大戦時の苦い記憶がある。徴兵を拒み、投獄された自分。出征し傷を負い、外科医の道を諦めた弟・デリック。生きて帰ることのなかった親友と、残されたその息子・ケイ。ケイを引き取り、共に暮らすデューイのもとを、ある男が訪れる。彼が骨董店に持ち込んだのは、女性の髪が収められた、センチメンタル・ジュエリー。しかもその後、男は戦没者慰霊碑の前で遺体となって発見され…。骨董屋の兄デューイと、検死官の弟デリック。麗しい兄弟が謎を解く、話題の英国ミステリ。
著者等紹介
椹野道流[フシノミチル]
兵庫県出身。1996年「人買奇談」で講談社の第3回ホワイトハート大賞エンタテインメント小説部門の佳作を受賞しデビュー。法医学教室の監察医としての経験も生かし、監察医もののミステリも発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yukision
23
表紙や中のイラストからは想像できない弟デリックのべらんめえ調の言葉遣いになかなか慣れず、変な吹き替えを聞いているようだったが、ストーリー自体はシャーロックホームズの世界をライトノベルにした感じで悪くない。2020/01/20
tera。
21
【図書館本】シリーズ二作目。 ローウェル骨董店の事件簿 と言うより、「ローウェル兄弟の事件簿」という感じ。骨董品店の設定が生かされていなくて残念。今回の事件やローウェル兄弟の仲違いの原因、デューイとケイの間の秘密ごとにも戦争が大きく関係していて、作者の戦争に対する思いが現れているように思えた。時代背景やロンドンという場所、登場人物も魅力的だと思うのに、今ひとつ物足りない気がする。何となく全てが良い方向に進みつつある最後だったけど、シリーズはまだ続くんだろうか。2014/08/24
那由多
19
第一次世界大戦から三年後のロンドンで起こる連続殺人事件をデューイの背負ってきた過去と絡め、戦争が人間にもたらす傷に切り込んでいる。前作と同様、ミステリー部分がローウェル家の絆と対になる構成が上手い。アンジェラの言う通り、どの雲にも銀の裏地がついているラストに、ようやく戦争が終わったのだなと安堵した。思いがけず、胸をいっぱいにさせられた。2018/08/23
まふぃん
13
シリーズ2作目。一巻目より、内容がシリアスで読み応えありました。続きはあるのかな?2016/11/13
深青
12
シリーズ2作目。ううむ、謎解きとしては…ちょっぴり物足りない。だけど、戦争の悲惨さ、どれだけ人の心に傷を残すのかはよくわかった。どうして、戦争なんてするんだろう?戦争したいのなら、宇宙の果てでやっておくれ!と思うわけです。お話の方ですが、デューイとケイの救済のお話でもあったので、最後のエミールの1文にはジーンときた。2014/06/15