内容説明
日本帝国最上等の女流探偵・穴井戸栄子に持ち込まれる不可思議な4つの事件!無駄な知識と煌めく直感、あとはすべて助手任せ。強気、天然、Eカップ。美しすぎる女子高生探偵登場!キュートでゴシックな本格探偵小説。
著者等紹介
古野まほろ[フルノマホロ]
東京大学法学部卒。リヨン第三大学法学部第三段階「Droit et Politique de la S´ecurit´e」専攻修士課程修了。フランス内務省より免状「Dipl^ome de Commissaire」授与。2007年1月、『天帝のはしたなき果実』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
192
久方ぶりの古野まほろ氏。セーラー服シリーズの外伝という扱いだろうか、もちろん単体で読んでも楽しめる。ホームズ役の穴井戸栄子嬢とワトソン役にして忠実な下僕まほろが、シャーロックシリーズの謎をパロった事件を解決していく連作短編集。相変わらず古風で耽美で無秩序な言葉の組み合わせからつむがれる文章は中毒性高し。元ネタがシャーロックのパロディだからか、サブカル系のネタやメタなセリフが多い印象。探偵役の栄子嬢とまほろの絶妙なバランス感覚によるコンビ推理はおもしろい。2018/10/23
雪紫
63
再読。まほろ版ホームズパスティーシュで栄子さんを小五郎・・・ホームズに仕立てれば、こうなる。本編に出て来ないひと達を前にまほろを振り回し栄子さん節炸裂。みなさま濃過ぎてこの後の「果実」に出なかったのが謎レベルなんだけど・・・(初読時、鉄途警部まさか銛矢挺教授の変装かと疑ったことあった)。由香里ちゃん、アンタちゃっかりと・・・。おすすめは「赤いルピア」「だんだらの紐」・・・改めて見るとあの世界の愛知魔境過ぎない?2023/01/19
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
59
天帝シリーズとセーラー服シリーズのコラボ!これは両シリーズ読んでないとまず世界設定から入り込めない為、シリーズ未読の方にはお勧めしない。しかしシリーズを読破し、まほろ氏のテンションが大好きな方にはお勧めである。正直、ギャグである。散りばめられるエヴァ、ホームズ、ラピュタネタに、ハチャメチャな栄子様の推理と下僕コアラまほろの従順なるワトソン役だけで読んでいて面白い。とにかく通してテンション高く、また、果実より前の時系列のため、安心感を持って読めた。しかしこう読んでると天帝シリーズ再読熱がモワモワと…!!2017/02/03
ひめありす@灯れ松明の火
44
これはまだ、天帝が贄を求めずヴェヌスの手には梨も林檎もなく、『風紋』は決まらず、彼が彼女に恋をしていなかった、ほんのひととせ昔の物語。シャーロキエンヌ穴井戸栄子とエロコアラトソン古野まほろによる本歌取りならぬ本家寝取り、更には本格気取り。はふう、ぞなもし、めるしびあん。セーラー服シリーズと天帝シリーズ禁断のクロスオーバーはホームズへのオマージュでありパスティージュ。遠く離れたと思ったら、いつしか戻ってくる。彼女の引力に導かれて。謎も推理も凄まじい迄の美青年も、彼女の愛狂しさの前では芥にも満たず。うげらぽん2015/03/22
藤月はな(灯れ松明の火)
40
聖アリスガワ学園に入学できず、神父・飯塚ジョバンニ祐の計らいで女流探偵として活動することがなった穴井戸栄子さん。しかし、実は栄子さん、探偵能力はからっきしなのだ。麻耶雄嵩氏の『貴族探偵』同様にまほちゃんをこき使い、栄子さんは己が義憤と好奇心もために事件に首を突っ込み、銃を撃つのだった(笑)愛知県ネタ、エヴァQ、シャーロック・ホームズシリーズに出てくる名前の登場人物や行動に思わず、ニヤリ。そして瀬尾先生や奥平君の活躍にこの後を知る者としては思わず、ほろり。それにしても栄子さんはあの学園に入らない方がいいよ。2014/05/03