妻と飛んだ特攻兵―8・19満州、最後の特攻

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041104828
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「女が乗っているぞ!」その声が満州の空に届くことはなかった。白いワンピースの女性を乗せた機体を操縦していたのは谷藤徹夫少尉(22歳)、女性は妻の朝子(24歳)。最後の特攻は、夫婦で行われていた!!

内容説明

「女が乗っているぞ!」その声が上空を旋回する十一機まで届くことはなかった。白いワンピース姿の女性を乗せた機体を操縦していたのは谷藤徹夫少尉(当時二十二歳)、女性は妻の朝子(当時二十四歳)だった。一九四五年八月十九日。満州で二十代の青年将校たちは、ある者は許嫁の自決を見届け、ある者は恋人を連れ、そして谷藤徹夫は妻を乗せ、空に消えていった。「妻と飛んだ特攻兵」、その衝撃の事実を追った歴史ドキュメント!!

目次

第1章 開戦―東條内閣、倒閣へ動く
第2章 結婚―航空将校となり、満州へ赴く
第3章 満州―関東軍、謀略をめぐらす
第4章 帝国―皇帝・溥儀、傀儡となる
第5章 夫婦―飛行教官として教え子を見送る
第6章 特攻―谷藤徹夫、朝子と征く

著者等紹介

豊田正義[トヨダマサヨシ]
ノンフィクション作家。1966(昭和41)年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨークの日系誌記者を経て、ノンフィクション作家となる。戦争、犯罪事件から芸能まで取材対象は幅広く、人物評伝も手がけている。精緻な取材を行い、対象に入り込みながら、客観的に実像を浮かび上がらせる取材力と筆力を高く評価されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

64
このところ立て続けに満州国関連の本を読みました。片や将校に嫁ぎ、戦後の混乱を必死に引き上げた女性の。こちらは終戦後4日経った19日にソ連軍に特攻を試みて自爆した夫妻のもの。もう少しこの二人のことを詳細に知りたいと思いました。本の内容は戦争の回顧録のようで、やや期待とは違っていました。8月にドラマ化されると言うことなのでどのように映像化されるのか少し楽しみです。2015/06/25

Willie the Wildcat

36
強い想い。不文律はもちろんだが、規則で心は縛れない!帰省時の弟への一言が、戦争への徹夫の本心。親友・二瓶氏の最期はもれなく、徹夫の心を打つ・・・。本著における谷藤夫妻の心情描写は限定的も、2人の育った背景と丁寧な時勢描写が、2人の”決意”に至る過程を暗示。一方、大倉少尉の実妹の土下座が戦後の世相の一端。遺族を取り巻く複雑な心情。幾層にも取り囲む矛盾。理不尽さを感じざるを得ない。2014/12/13

りょう君

35
戦後70年の特別番組、堀北真希主演のTVドラマも観ました(涙)玉音放送の4日後、満州から夫婦一緒に九七式戦闘機で飛び立った特攻兵の話でノンフィクションです。当時、満州で避難民となった日本人をソ連兵の戦車隊が虐殺しました。その事実を関東軍飛行隊が知り、戦車隊に特攻することを秘かに計画します。関東軍の谷藤徹夫氏は本土決戦が始まった日本から妻を満州に呼び寄せます。そして終戦の玉音放送。しかし関東軍はソ連の戦車隊を許すことが出来ません。夫の決意がわかる妻は白いワンピース姿(白装束)で特攻機に同乗します(涙)2015/08/22

34
満州の歴史が結構長く綴られていて難しい箇所もありましたが最新の書物というだけあり様々な資料からしっかりと真実を書いてくださっていると思います。ソ連の参戦からの満州の日本人が味わった地獄絵図…あまりにむごくて言葉が出ません。あの状況なら。日本人ならば。女子供や戦えない男性たちが目の前で生殺しされていくのを黙って見ているだけじゃすまない、特攻攻撃を考えて当然だと思います。2013/10/27

さくらんぼ(桜さんと呼んでね)

32
終戦後の8月19日、満州の地で特攻機に妻を乗せて飛んだ谷藤徹夫の記録である。人々の記憶を紡いで書かれた本だ。その話を主軸として満州事変から満州建国、中国内の歴史、太平洋戦争に至るまでの流れが詳しく書かれている。巻頭にあった満州の地図を何度も振り返りつつ読んだ。戦争がいけないというのはもちろんだ。でもあの時代の侵略行為や裏切り行為など戦争へと突き進むしかなかった時の流れを強く感じた。ソ連兵の辱しめを受けるくらいなら夫と共に特攻機に乗りたいと思うのもあの時代だからこそなのだろう。読んでよかった。2015/07/31

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