出版社内容情報
第19回日本ホラー小説大賞・大賞受賞作
15歳のとき「先導者」として認可された「わたし」。死者を再び富と名誉を持った家系に生まれ変われるように導く役割を託されていた。過酷な訓練を経て、ついに最初の任務を果たすときが来たが……。
内容説明
感じていたい、あの人のぬくもりを。過酷な運命を背負った少女が辿った、哀しき死と再生の物語。第19回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
著者等紹介
小杉英了[コスギエイリョウ]
1956年、北海道生まれ。関西学院大学文学部卒業。公務員、広告文案業、翻訳業などを経て、現在は自営校正業。2012年、『先導者』で第19回日本ホラー小説大賞“大賞”を受賞(受賞時タイトルは、「御役」)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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らむり
39
去年のホラー小説大賞受賞作です。仮死状態になって霊界に入るお話。死後の世界の設定が見てきたかのようにリアルでした。恐怖感はあまり感じませんので、ホラーが苦手でも敷居は高くないと思います。2013/03/17
キムチ27
34
H24年ホラ大賞作品。若い方の作品かと思いきや、同じ世代。しかも神秘思想研究家のようで、この賞では大物のようだ。作品の中盤にならないと舞台の詳細が見えてこない。従い読者は一人称で延々と語られる死・・現実と魂・・彼方に広がる広大な世界のはざ間を漂う事になる。次第に見えてくる組織・悪の権化・宿命・目覚めていく自己の在り様。誰しも、此岸で語りようもない魂の揺らぎを描いている。先導という役目を「無垢であろう」少女に託しているのだが・・。2014/09/04
くろろん
33
あらすじを読んで購入。しかしてっきり死者を甦らせると思ってたので、来世に導くって設定でまずびっくり。そんなうまい話あるのかーって感じと、なぜそんな役割を作ったのかと。ぐらぐらと揺れているのに、つらつらと進む文字列に止まりませんでした。心の宗教的なところもあって、読みづらくもあるけれど…薄氷に挟まれた男女の恋愛小説でもあるのかなあ2014/11/02
ぴろち
31
うーん。独特。2017/03/25
miroku
26
転生を司る支配階級の組織というアイデアが独自。全編に漂う切なさが沁みる。2014/06/27