内容説明
大手紙企業「藤崎産業」の記念館でバイトをする百花は、前社長夫人薫子に気に入られ夕食に誘われる。そこで、孫で館長の一成が幼い頃から薫子に育てられ紙への愛情が深くなったことを知る。ある日、彫金デザイナーの雫を伴い本社営業課長の浩介が記念館に現れる。彼は社長の息子で、いとこの一成を敵視し、記念館不要論を唱えていた。しかし、百花が和紙を使った新商品のアイディアを雫に提案したことで、事態は思わぬ方向へ。『活版印刷三日月堂』に続く、やさしい絆の物語。
著者等紹介
ほしおさなえ[ホシオサナエ]
1964年、東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」で第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年『活版印刷三日月堂 星たちの栞』が、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞、人気シリーズとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
281
“温故知新”、“好きこそ物の上手なれ”いう言葉を、ふと思い出す。和紙に興味を持った百花が、和紙の素晴らしさを伝えるために、あれやこれやと努力していく姿は、微笑ましく応援したくなる。そんな中で、間違いなく嫌われるだろう浩介の存在も気になる。古き良きものを現代に残す。そして、舞台となる町すらさえも大切にしてる。優しく温かく丁寧にオブラートで包みこむようなほしおさなえワールドはいいね。いつか百花の父の小説も読んでみたい。2020/11/15
寂しがり屋の狼さん
197
もう❗わくわくが止まりません💕(≧▽≦)藤崎産業の前社長夫人であり、一成の叔母である薫子のすすめで、本格的に『ふじさき記念館』でアルバイトをすることになった百花であったが、ある時、記念館が存続の危機にあることを知る…感性と発想、知識と人脈、百花と一成のコンビが記念館存続ため奮闘する❗物語に出てくる魅力的な商品たち💕私も欲しいです。2023/08/22
シナモン
178
和紙をテーマにしたシリーズの2作目。美濃市和紙巡り、ちょっとしたライバル出現、お父さんの思い出…今回は前作よりもより楽しめました。人生の節目に紙漉きっていいなぁ。美濃市も魅力的で行ってみたくなりました。引っ込み思案だった主人公百花が記念館で働くうちに自信をつけて成長していく様子も微笑ましかったです(でも表紙のイメージとはちょっと違うんだよな💧)「文字箱」「物語ペーパー」、素敵なネーミングにもぐっときました。楽しく奥深い和紙の世界、続きも楽しみです。2021/05/15
mariya926
159
『紙は昔から強い力を宿すものだった』和紙に惹かれて様々なアイディアを出す主人公。本来は内気な女子大生が和紙との出会いを通して変えられていくストーリーです。バイト先の記念館の館長もほとんど笑わない和紙オタクのような人。しかし和紙を残していきたいと、記念館を存続させたいと変わってきました。今回は実際に和紙作りを体験することや、和のアクセサリーの包装紙やサークルの栞、そして物語ペーパーのアイディアが出てきます。作家さんが考えられたアイディアなのかな?アイディアが面白かったです。2021/11/25
KAZOO
150
シリーズ第2作目で結構楽しめました。ひょんなことから美濃市へ行って紙すきの体験をします。私も行きたくなるような都市ですね。さらに記念館館長の従弟が出て来て今後の展開も波乱が起きそうな気配です。さまざまな紙にまつわる製品など楽しめますが、申し訳ないのですがこの表紙がどうにかならないのかなあと感じます。活版印刷の話のような表紙にしてくれないですかねえ。2021/05/10
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