出版社内容情報
浅倉 秋成[アサクラ アキナリ]
著・文・その他
内容説明
僕は他人の背中に数字が見える。その人の今日の幸運レベルを示し、基本値は50。しかしある日、同級生の弥生の背に85という数が!ラッキーのおこぼれを期待して彼女と行動を共にした僕は、同じく妙な力を持つ仲間と出会う。本を指でなぞって内容を記憶する。毎朝、今日聞くことになる台詞を予知する。念じると触れたものを壊す―。僕たち4人を結びつけたのは、ある少女の死の謎だった。全ての偶然が必然に変わる群像青春ミステリ。
著者等紹介
浅倉秋成[アサクラアキナリ]
1989年生まれ。2012年に本作で第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞しデビュー。19年に発表した『教室が、ひとりになるまで』が、第20回本格ミステリ大賞“小説部門”&第73回日本推理作家協会賞“長編および連作短編集部門”にWノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
97
ある時期を境に、奇妙な能力に目覚めた四人の高校生たち。人の背中に数字が浮かび上がって見える、指でなぞるだけで本の全ての内容が頭に収容できる、毎日、五つの予言がある、どんなものでも壊せる能力。彼らには謎多きメッセージが脳裏に刻まれていたが…。周到に張り巡らされた伏線。偶然からの必然。ドミノ倒しと切なる願い。長いプロローグ経て、バラバラだったピースがカチカチッとははまりだし、エピローグ見事に繋がっていく。清々しい群像青春ミステリー。文学オタクのんの口癖のように出てくる名言は面白かった。2022/09/23
やっちゃん
72
霧に包まれたようなスリルがある群像劇は文体、雰囲気が村上春樹や伊坂幸太郎ににてるかな。主人公達はもちろん著者の初々しさも感じられる。ボブさん好き。江崎くんの将来が心配笑。字が小さくクソ厚い文庫だけど一気に読めてしまった。2024/10/06
ぺんぎん
66
それぞれ特殊な能力を持つ4人がある事件に巻き込まれていく。視点が変わるのでそれぞれハラハラしたりドッキリしたりと楽しめる。カジノのシーンは特に映像化したらあの臨場感が倍になりそう。他の作品も読めたい作家さん。2022/10/10
オセロ
62
浅倉先生2作目。 高級ホテルに集められた4人の少年少女。共通点は同じ日に不思議な力に目覚めたことだけ。そんな彼らを集めたと思わされる企業を探ることで点と点が線になって、浮かび上がる壮大で歪んだ計画と少女の願い。 スリリングな展開あり、不思議な力を使った駆け引きありの読み応え抜群の青春群青ミステリ。 細かいところが気にならなかったと言えば嘘になりますが、それを補って余りある面白さに大満足でした! 2023/06/07
さと♪
61
前半は長い!って思いながら読んでたけど、後半は一気読み。面白かった。背中に数字が見える特殊能力の意味がずっと分からなかったんだけど、そこも回収されすっきり。4人と弥生さんに幸あれ!2024/02/10