イノセンス

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  • サイズ 46判/ページ数 268p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041095669
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

【Innocence:[名]無罪、潔白】

音海星吾は美術サークルに所属する大学生。中学生時代、不良に絡まれた星吾は、彼を助けようとして身代わりに刺された青年を見捨てて逃げてしまう。青年はその後死亡したため、星吾はネット社会を中心とした世間の誹謗中傷を浴び続ける。
大学入学後も星吾は心を閉ざして生きていたが、ある日、ホームから飛び降りようとした中年男性に「そんなに死にたいなら、夜にやってよ。朝やられると迷惑なんだ」と心無い言葉をぶつけてしまう。現場を目撃していた同じ大学の学生・紗椰にその言葉を批判されるが、それがきっかけで星吾は彼女と交流を持つようになる。星吾は心惹かれるようになった紗椰に思いを告げようとするが、自らの過去の重みのため、踏み出すことができない。コンビニのバイト仲間の吉田光輝、美術サークルの顧問・宇佐美ら周囲の人間との交流を通して、徐々に人間らしい心を取り戻しかける星吾。
そんななか、星吾を狙うように美術室の花瓶が投げ落とされ、さらに信号待ちの際、車道に突き飛ばされるという事件が起こる。星吾を襲う犯人の正体は? そして星吾の選択とは――。

一度過ちをおかした人間は、
人を好きになってはいけないのだろうか。
魂を揺さぶるラストが待ち受ける、慟哭のサスペンス!

内容説明

助けてくれた青年を置き去りにしたことで被害者だったはずの少年は、世間から集中砲火を浴びた。大人になった今、心を閉ざした彼の身に危険な出来事が次々と迫る―。話題作『ジャッジメント』の著者が放つ哀しみと衝撃のミステリー!

著者等紹介

小林由香[コバヤシユカ]
1976年長野県生まれ。2006年伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞で審査員奨励賞、スタッフ賞を受賞。08年第1回富士山・河口湖映画祭シナリオコンクールで審査委員長賞を受賞。11年「ジャッジメント」で第33回小説推理新人賞を受賞。16年「サイレン」が第69回日本推理作家協会賞短編部門の候補作に選ばれ、連作短編集『ジャッジメント』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

349
小林 由香、三作目です。本書は、悲劇の連鎖、哀しい社会派ミステリでした。思春期、中学生の頃に負った心の傷は、一生癒される事はないのでしょうか? https://www.kadokawa.co.jp/topics/48702020/11/09

nobby

280
「僕に人を好きになる権利はありますかー。」こんな哀しい問いに答えなんて出せる訳がない…そして僕は、こんな難解な物語を紡ぎ出す小林さんが絶対に苦手だ…中学時代に自分の代わりに刺された青年を見捨てて逃げた少年の抱える呪縛…もちろん「何故逃げた!?」と正論ぶった批判をするのは簡単だろうが、当人の恐怖や被害者や関係者の葛藤は計り知れない…そもそも一番に責められるべきは襲った悪者であり、嫌悪されるべきは勝手な誹謗中傷を繰り返す者だ…ようやく訪れた穏やかな光を噛み締めながら、彼の夢見た普通を暮らす自分の今に安堵する…2020/10/28

しんたろー

274
中学生・星吾が3人組の不良にカツアゲされるが、通りかかった青年が止めに入る。が、青年は刺され、恐怖に駆られた星吾は逃げ出し、青年は死亡。見殺しにした事を周囲から誹謗中傷され、人と関わらずに生きてきた星吾は大学生になり、同級生・紗耶、教授・宇佐美、バイト仲間・光輝との関わりの中で少しずつ変化するが、不良たちが殺され、星吾も命を狙われる…こう書くと重いが、4人の切ない事情が絡み合ったヒューマンドラマが強く「自分だったら?」と考えさせられた。ミステリの終結に関しては駆け足過ぎた気がするが、筆力の高さも光る佳作。2020/11/25

いつでも母さん

240
今回も考えさせられる作品だった。小林さんの作品はどうしてこんなに哀しい人が多いのだろう。罪を憎んで人を憎まずとか赦しとか・・揺れ動く思い。私の中に明確な答を持たないから苦しいのだ。優しい出来た息子を突然喪った家族や恋人が、それから先を恨みだけで生き抜くのは辛すぎる。自分の所為で不幸を引き寄せてしまうと、芽生えた希望が滲む人生も酷だ。後悔と贖罪。還らぬ命の重さを感じながら真摯に生きるしかないように思う。あなたなら?小林さんに今回も又問われているが、光射すラストはいつになく暖かい感じだった。2020/10/21

イアン

214
★★★★★☆☆☆☆☆断罪をテーマとした小林由香の長編。14歳の時に、不良に絡まれた自分を助けてくれた青年を見殺しにしてしまった主人公・星吾。その後世間から大バッシングを受けた彼の元に、姿なき脅迫者の殺意が忍び寄る…。被害者でもある星吾の行為がまるで殺人の加害者であるかのように誹謗される描写に、どうしてもリアリティの無さを感じてしまう。最後は救いのある結末だなと思った反面、イヤミスとして物語を締めるなら真相の一歩手前で切ってもよかった。久しぶりの息子からの電話にしょうもないギャグを放った父の勇気に恐れ入る。2021/01/21

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