出版社内容情報
大学受験に失敗した主人公・祠堂雅玖は、ある日偶然とあるカフェを訪れる。
強烈な個性を持つ店員たちと雅玖には意外な共通点があった。
それは「毒母の息子」であること、そして「イケメン」であること。現実から逃げる様に
カフェでの住み込みバイトを始めた雅玖が見つけた、亡き母の本当の姿とは――。
内容説明
1歳の時に母を亡くし、父と二人暮らしの祠堂雅玖は、受験に失敗し絶望する。希望ではない大学に入るもなじめず、偶然訪れたカフェで、女装姿の美青年オーナー、土久保覇人に誘われ住み込みバイトを始める。一筋縄ではいかない個性を持つ店員達に戸惑いながらも、少しずつ心を開く雅玖。仲間達に背中を押され、必死に探し求めた母の真の姿は、雅玖の想像とはまるで違っていて…。絆で結ばれた息子達の成長ストーリー!第5回角川文庫キャラクター小説大賞読者賞受賞!!
著者等紹介
尾道理子[オノミチリコ]
「第5回角川文庫キャラクター小説大賞」にて読者賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
81
新刊。角川文庫キャラクター小説大賞読者賞作。いやー良かった。テンポ良く読めて声が出るくらい笑えるところもあるし、かと思えば後半の真相解明編の感動がやばい。これは泣かずにはいられない!雅玖の心の成長に思わずほっこりして「良かったねえぇ〜」という気持ちになりました。毒母持ちには共感ポイントも多々。覇人辺りはもっと謎に包ませといて次巻でじっくり読みたかったかも。もう普通に続編希望です!蘭丸も(彼が1番面白かったw)瀬戸ちゃんもあと太一もビーグルのことももっと知りたい!…し、解放されていく様を見守りたい。2020/05/21
真理そら
57
一歳で母を亡くした祠堂雅玖は叔母達から亡母は毒妻だったと聞かされ、家には母の写真が一枚もなく、母のことを語らない父に育てられた。毒母に育てられたイケメンが働く寮付きカフェで働くことになった祠堂の同僚は変人ばかり。この同僚のキャラがいいのでシリーズ物かと思ったらそうではなかった。進学校で成績優秀なイケメンが志望校にも滑り止めにも落ちて思いがけない学部で学ぶことになり、受験失敗を機にカノジョには受験に成功した友人に乗り換えられ…という状況から復活するまでの物語。2024/04/27
keith
28
毒母のおかげで強烈なキャラクターを持つようになった青年たちが店員を勤めるカフェでバイトするようになった雅玖。イケメンだが一癖も二癖もある仲間に囲まれた雅玖が、毒母だと思っていた実母の本当の姿を知るようになる。まあ、予想通りの展開。各店員のキャラを楽しむ本です。2020/08/01
ぐっち
27
母の影響が強くて、うまく社会になじめてないイケメンが集まったカフェ。「毒母」のタイトルにおびえつつ読み始めましたが(私はこの年代の息子がいる母のほうなので…)、お母さんたちも一生懸命生きててそうなってるし、息子たちも母への恨み節でもないので、さわやかな気持ちで読めました。こんなカフェがあったら常連になりたい。2022/10/29
なな
24
タイトルはゾッとしますが、イラストから持ったイメージ通り、カフェを舞台にした思春期男子の成長物語のようでした。カフェで働く男性たちが個性豊かで魅力的です。こんなカフェなら行ってみたいです。傍から見たら毒母だとしても自分の捉え方で愛情を与えられて幸せに育てられたと考えることは不思議ではないように思います。雅玖も母親の真相を知ることができて良かったです。読後はすっきり気分が良い作品でした。2020/05/22