丸の内魔法少女ミラクリーナ

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  • サイズ 46判/ページ数 210p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041084236
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

さまざまな世界との対峙の仕方を描く、衝撃の短編集!
村田沙耶香ワールドの神髄を堪能できる4篇を収録。

■「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
OLの茅ヶ崎リナは、日々降りかかってくる無理難題も、魔法のコンパクトでミラクリーナに“変身”し、妄想力を駆使して乗り切っている。そんなある日、元魔法少女仲間のレイコが、恋人の正志と喧嘩。よりを戻すためには「レイコの代わりに魔法少女になること」を条件に出すと、意外にも彼は魔法少女活動にのめり込んでいくが……。

■「秘密の花園」
「見ているだけでいいから」と同じ大学の早川君を1週間監禁することにした千佳。3食昼寝付きという千佳の提案に、彼は上から目線で渋々合意した。だが、千佳の真意は、小学3年生からの早川君への初恋に終止符を打つため、「生身の早川君がいかにくだらない男か」を目の当たりにし、自分の中の「幻想」を打ち砕くことにあった――。

■「無性教室」
髪はショートカット、化粧は禁止、一人称は「僕」でなければならない――。「性別」禁止の高校へ通うユートは、性別不明の同級生・セナに惹かれている。しかし女子であろう(と推測される)ユキから、近い将来、性別は「廃止」されると聞かされ、混乱する。どうしてもセナの性別が知りたくなるが、セナは詮索されるのを嫌がり……。

■「変容」
母親の介護が一段落し、40歳になって再び、近所のファミレスで働きはじめた真琴は、世の中から「怒り」という感情がなくなってきていること、また周囲の人々が当たり前のように使う「なもむ」という言葉も、その感情も知らないことに衝撃を受ける。その矢先、大学時代の親友から「精神のステージをあげていく交流会」に誘われるが……。

内容説明

36歳のOL・茅ヶ崎リナは、オフィスで降りかかってくる無理難題も、何のその。魔法のコンパクトで「魔法少女ミラクリーナ」に“変身”し、日々を乗り切っている。だがひょんなことから、親友の恋人であるモラハラ男と魔法少女ごっこをするはめになり…ポップな出だしが一転、強烈な皮肉とパンチの効いた結末を迎える表題作ほか、初恋を忘れられない大学生が、初恋の相手を期間限定で監禁する「秘密の花園」など、さまざまな“世界”との向き合い方を描く、衝撃の4篇。

著者等紹介

村田沙耶香[ムラタサヤカ]
1979年千葉県生まれ。2003年「授乳」で群像新人文学賞優秀作、09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

599
表題作を含めて4篇の作品から成る。タイトルに表れているように軽やかさが前に出て、村田紗耶香の持つ凄みがあまり感じられない。発表誌が「小説 野生時代」でもあり、エンターテインメント性を重視した結果だろうか。村田紗耶香の毒を期待した身にはいささかもの足りない。ただ、面白いことは面白いので、ここではむしろ村田の懐の深さと柔軟性を楽しむべきであるのかもしれない。篇中では、タイトルが魅力的なのは表題作だが、村田沙耶香らしさでいえば最後の「変容」が一番それらしいか。2023/11/04

starbro

549
村田 沙耶香は、新作中心に読んでいる作家です。200頁超の薄めの短編集ですが、四作品ともインパクトがあり、まみまぬんでらで、なもみました(笑)オススメは、『無性教室』です。 https://www.kadokawa.co.jp/topics/4230 【読メエロ部】2020/05/23

ろくせい@やまもとかねよし

548
4短編が収録。タイトル編を含む前半3編と最後の1編は主題が異なる。ただし持ち出す設定は人間社会の禁忌か。前半3編は、女性特有な感覚や共感が主題。「特有な幼稚性の執着」「恋愛と称される男性への妄想的性の執着」「捨てきれない動物的性の衝動」と。これらは「地球星人」に繋がるものだと感じ、巻末の作品発表年で納得した。最後の1編の主題は人間意識と社会。前作「半変身」に通じるか。「怒り」が「悲しみ」に変容した社会。そこでは新しい意識表現も生まれる。社会で共有する常識や正しさがどれほど脆く無意味な虚構であるかを表現。2020/06/25

さてさて

488
”私たちはいつでも誰でも魔法少女になれるんだ、とどこかで強く信じているのだと思います”と語る村田さん。そんな村田さんの描く物語は振り切った感覚世界の中にそれでもそこに人のドラマがあることを感じさせてくれるものでした。強烈なシチュエーションの先に待つ納得感のある結末を見る四つの短編が収録されたこの作品。もっと、もっと…と村田さんに求める感覚が麻痺していくのも感じるこの作品。圧倒的な表現力の世界に囚われて戻ってこれなくなるのではないかと不安にもなるこの作品。これぞ”村田沙耶香ワールド”を堪能できる絶品でした。2022/12/14

kou

482
相変わらず、読んでいて自身の常識を疑いたくなってしまう凄い感性と視点だと思う。ミラクリーナのように他者になりきるのは、意外とメンタルヘルス的に有効なのでは!って、ちょっと思ってしまった(笑)。2020/05/13

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