出版社内容情報
今野 敏[コンノ ビン]
著・文・その他
内容説明
高校生の永友久(キュウ)が偶然ネット上で見つけたゲーム「殺人ライセンス」。その標的と酷似した公務員の男が、現実に殺害された。キュウは、事件とゲームの関係を調べようと、探偵を目指す同級生の父親・相沢とともに行動を起こす。一方、相沢の同級生で目黒署の刑事・丸谷は、公務員殺害事件に違和感を覚えていた。容疑者の完全なアリバイと、遺留品無き現場。そして、捜査が行き詰まりを見せた矢先、第2の殺人が―。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。78年、上智大学在学中に「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞を受賞。卒業後、レコード会社勤務を経て執筆活動に専念。2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞、08年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞、第61回日本推理作家協会賞をダブル受賞。17年「隠蔽捜査」シリーズで第2回吉川英治文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
109
かなり前の書かれた作品のようですが、今の現実の社会を描いているような感じです。主人公が高校生の男女が絡む青春小説のようで今野さんの作品にしては珍しいものです。ウェブサイトに殺人ゲームのようなものがあってそれが現実の殺人事件が起きると消えてしまいます。軽いノリですが結構楽しめました。2019/05/17
のり
90
ネットでオンラインゲーム「殺人ライセンス」を偶然見つけた高校生。斬新なゲームと思っていたが、殺人依頼の基礎データに載っていた人と類似した人がリアル世界で殺害された。たまたま似た事件と思っていたら2件目の犠牲者が…同級生の女の子からは、放送終了になったTVから声が流れたと相談を受ける。女の子の父親(新米探偵)と情報収集する。警察の捜査も遅々として進まない。この奇妙な出来事に関連はあるのか…顔の見えないネット社会の闇である。2020/06/06
あも
87
文庫化されたばっかなのに古臭いなぁと思ったら2002年刊行だった。ネットが一部の人の趣味から携帯電話の普及で一般化しつつあった年代。パソオタ高校生が偶然見つけた"殺人ライセンス"という標的の殺害を目指す神出鬼没のゲーム。それと現実の殺人事件がリンクし、同級生の父親と協力して関連性を探っていく。テーマであるネット社会への警鐘や親子関係の希薄化は今更感だが事件そのものは面白かった。ただ、リストラされてオイラ探偵になる!とか言い出した同級生の父親はヤバイ。最終いい感じで家族が理解しちゃうのもヤバイ。マジヤバイ。2019/09/06
yomineko@ヴィタリにゃん
62
22年の作品なの。当時、ネットは若者達の間では結構浸透していたが、さっぱり訳の分からない大人達は翻弄される。「殺人ライセンス」というゲームの通りに殺人事件が起きる。が、ネットに詳しくない刑事は四苦八苦!そこでネットに詳しいキュウ君、失業して探偵業を始めかけている同級生の美少女。麻理ちゃんの父親と共に事件解決へ!テレビが終わった後のザーザー現象の合間に霊界からの声が聞こえるという現象も相まって結構面白かった。2024/09/05
mihya
58
タイトルから想像していたより面白かった。 意外と柔軟性のある刑事たちや、探偵になりたいリストラ親父や、青春謳歌中の高校生たちといった登場人物が良い。あっという間に読み終わった。 20年前、当時からWEBの仕事をしていたので色々と懐かしかった。(今思えば大変だったなぁ…)2022/10/04