出版社内容情報
Fateシリーズに連なる“あの男”の物語が待望の文庫化!
内容説明
魔術協会の総本山「時計塔」において、現代魔術科の君主に叙されているエルメロイ2世は、「剥離城アドラ」の遺産相続に立ち会ってほしいと依頼を受ける。内弟子のグレイを伴い城へと向かった2世を待ち受けていたのは、相続のための謎解きだった。招待された高位の魔術師たちにはそれぞれ“天使名”が与えられ、謎を解いた者が遺産を引き継げるという。魔術と神秘、幻想と謎が交錯するとき、悲愴なる事件の幕が上がる。
著者等紹介
三田誠[サンダマコト]
ライトノベルの執筆を中心に活躍。近年では小説の執筆以外に、漫画原作など、多岐にわたり活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スズ
59
時計塔の現代魔術科の君主エルメロイⅡ世とアーサー王の末裔にして彼の王の霊園の墓守の少女グレイが、天使に支配された館での魔術刻印修復術の秘法を巡る魔術師達の争いに巻き込まれる第1巻。魔術師としては三流でも、魔術や神話への深い造詣で全てを看破してしまうⅡ世は、ルヴィア曰く「魔術の破壊者」に相応しい貫禄。亡き師ケイネスへ強い敬意を払い、自分に「生きろ」と命じた征服王の臣下として相応しい人間にならないといけないと独白する彼の有り方に憧憬を抱きました。王との再会のため第五次聖杯戦争参戦を宣言した彼の今後が楽しみです2019/05/05
南北
58
Fate/Zeroから10年後、ウェイバー・ベルベットはロード・エルメロイⅡ世として現代魔法科の講師をしながら、やっかいな事件を持ち込まれるという話です。一応ミステリーなのでしょうが、魔術師が容疑者では何でもありになってしまうので、動機の部分だけがテーマになっています。個人的にはロード・エルメロイⅡ世が講師らしく蘊蓄を語るところが面白かったので、続きを読んでいこうと思います。2019/08/23
たち
43
漫画の方がたった1巻しかうちに無くて消化不良のまま本棚をあさっていたら、あるではないですか~ラノベ版が…。漫画とほぼ同じ内容なので、とても楽しめました。不穏な山奥の城に集められた人々。次々と起こる殺人事件。まさに館ものの本格ミステリーでした。ただし、出て来る人々がみんな魔術師っていうのが特別でしたね。だから、警察とか野暮な人は出て来ません。そして、ホワイダニットも魔術師ならではでした。2021/04/14
りんご
40
でてくるキャラクターが全員一癖あり、魅力的。魔術師という在り方をこの作品は上手に描写していた。それにハイネの魔術は格好いいし、オルロックの魔術は綺麗だったので、魔術の描写にも満足。そして魔術師としての誇りを持つルヴィアの芯のある生き方は素晴らしい。先にアニメを見ていたので、最初のころのグレイは結構冷めていたんだなと驚いた。関係性の変化も含めて、グレイ達の今後が気になる。アニメ等でいくつかのオチや先が分かっていても楽しめる小説。2020/02/27
ダージリン
36
「Fate」はアニメを少しかじっただけなのですが、ウェイバー君は好きなキャラだったので後日譚が嬉しいです! 苦悩の似合う(実際苦労したと思うのですが)渋い青年?になって…(笑)。三田誠さんは、「レンタルマギカ」を読んでいたので魔法観も入りやすいし、情動に身を任せつつ、安心して読めますね(読めるはず!?)。ゆっくり追っていきたいと思います♪2019/09/11