出版社内容情報
人と人の組み合わせの数だけ、物語がある―― 読めば心が軽くなる傑作集!バーテンダーの僕は、骨折で入院した先の看護師の彼女に恋をした。退院後、何度かバーを訪ねてくれたものの、バツイチ7歳年上の彼女との距離はなかなか縮まらない。なぜなら彼女は“牛男”と暮らしているようで……(「僕と彼女と牛男のレシピ」)。
人間関係に正解なんてない――
人づきあいに悩む背中をそっと押してくれる7つの物語。
荻原 浩[オギワラ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
人間関係に正解なんてない―人づきあいに悩む背中をそっと押してくれる7つの物語。
著者等紹介
荻原浩[オギワラヒロシ]
1956年埼玉県生まれ。広告制作会社勤務を経て、コピーライターとして独立。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
410
荻原 浩は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。少し懐かしい感じの短編集、オススメは、「妖精たちの時間」&「ダブルトラブルギャンブル」&「人生はパイナップル」の3本です♪今年は、本書で読了、読み納めです(^_-)-☆2018/12/31
馨
320
短編集。どの話も面白かったです。心あたたまる話からちょっとSFな話まで。『人生はパイナップル』、荻原さんらしい戦争絡みのお話で良かったです。私も小さい頃祖母や祖父から戦争の話を聞いたりしたけれど理解出来なくて大人になった今やもう1度聞きたいと思う頃には祖父母はもうこの世におらずという主人公のような経験があったことを思い出しました。『あなたによく似た機械』『君を守るために、』も良かったです。2018/12/23
ウッディ
312
ほろ苦く、しみじみと味わい深い物語、ブラックテイストのSFっぽい物語、切ない恋愛物語など、バラエティに富んだ7編を詰め込んだ短編集。軽快でユーモアに溢れ、とっても読みやすかった。「僕と彼女と牛男のレシピ」‥うしおとこって誰?と思っていたけど、年上の彼女の息子うしお君の事だったんですね。前向きになれるラストで面白かった。昔密かに想いを寄せていた彼女からの思いもよらない告白をされる「妖精たちの時間」も良かった。荻原さんの幅広さを感じさせ、「それでも空は青い」そんな爽やかな読後感の一冊で、面白かったです。2019/10/14
ひさか
266
小説野生時代2013年7月号:スピードキング(スピードスターを改題)、2015年12月号:妖精たちの時間、2018年5月号:あなたによく似た機械、2017年6月号:僕と彼女と牛男のレシピ、2018年7月号:君を守るために、2016年12月号:ダブルトラブルギャンブル、書下ろし:人生はパイナップル、の7つの短編を2018年11月KADOKAWAから刊行。「君を守るために」が面白かった。読んでいて「おっ」と声が出てしまいました。すぐに忘れてしまいそうなお話が多い本でした。2021/01/12
しんたろー
252
荻原さんの最新短編集は7つの話。ノスタルジックな人生賛歌、甘酸っぱいラブストーリー、コミカルなホラー、星新一さんのような夫婦話、伊坂幸太郎さんのような双子話など、幅広い名職人ぶりが堪能できた。どの話も語り口が軽妙で、人情の絡め加減が良い塩梅…これが萩原節なんだと再認識した。どの主人公も親近感が湧く小市民なので、感情移入し易いのも嬉しい。甲乙つけがたいが『人生はパイナップル』と『スピードキング』の2作は、元野球少年だった身としては何度も頷きながらシミジミと沁みる部分が多くて、心地好い溜息…上手いなぁ(拍手)2019/07/19