出版社内容情報
商いは最後に笑ったものの勝ち!日本一の商人を目指す男の奮闘記。日本一の「江戸店持京商人」になろうと並木屋に修行に出ていた清兵衛。だが実家茜屋に呼び戻されたことから、彼の悲劇が始まる。茜屋は火の車だったのだ。倒産寸前の実家と立て直すため、清兵衛が奮闘する!
誉田 龍一[ホンダ リュウイチ]
著・文・その他
内容説明
日の本一の「江戸店持、京商人」を夢見て大坂の大店に修行に出た清兵衛。だが急遽、実家に呼び戻されたことから、彼の悲劇が始まる。江戸以前から続いた縮緬問屋が見事につぶれかけていたのだ。父の左之助は放蕩の限りを尽くし、店の資金はおろか、今日の米まで買えない始末。店の番頭や手代も怠け放題。さらに、頼みの綱の借り入れも八方塞がり。絶望的な状況で、三代目を継いだ清兵衛は、粘りの商人魂で店の再建を目指す。
著者等紹介
誉田龍一[ホンダリュウイチ]
1963年生まれ。大阪府出身。学習塾講師を経て、2006年「消えずの行灯」で第28回小説推理新人賞受賞。翌07年『消えずの行灯 本所七不思議捕物帖』(双葉社)で単行本デビュー。以降、ミステリー、時代物を中心に執筆。また児童書も手がけている。日本推理作家協会会員。操觚の会会員。本格ミステリ作家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
75
舞台は大坂は堺の縮緬問屋。大坂の材木商に商売の修行に出ていた清兵衛が急遽実家に呼び戻される。店主父親の放蕩三昧の挙句、店が危機的状況に陥ってる始末。その上、店には父親が外で作った娘まで来てるし一体どうなってる?!さて、飯にしよかと言ったはいいけど、お米が一粒もない・・・って。清兵衛が代替わりして何とか店の立ち直りを図るが、お金の借り入れも上手くいかない。家宝の壺を担保に借金したが、偽物扱いで奉行所に引っ張られるし。大阪弁の飛び交うテンポの良い会話が笑える。一体この再建計画どうなるの?続編に行きます。2020/11/26
真理そら
27
5年修業の予定で大阪に出たのに、手紙で呼び戻されて3年で堺の実家(縮緬問屋)に帰った清兵衛なのだが…店の前は汚れているし、誰も出てこないし、泥棒に間違えられるし…。登場人物は癖はあってもイヤな奴ではないので気持ちよく読めた。住吉大社から宿院への渡御や堺の夜市の様子など身近な気がして楽しく読んだ。まだ日本一の商人に近づいてもいないので続編があるはずだと信じている。2019/02/24
むつこ
19
奉公先から戻ってきた主人公が実家の縮緬問屋を建て直すお話。まー、父親の放蕩三昧というか使い方が酷い!店?のお米代まで使い込んでもへっちゃら加減にムカついたし、読んでいて気分が悪くなった。それでも従業員や店を守るためにみんなで力を合わせる姿に素直っていいなと思った。2024/09/17
サケ太
18
一気読みの面白さ。堺から日本一の商人を目指す茜屋清兵衛であったが、父の左之助の行動の所為でマイナスからのスタート。人間臭い、一癖も二癖もある人物同士の掛け合いは軽快で、くすっと笑えてしまう。展開もスピーディ。危機に継ぐ、危機。脱したかと思えば、前回よりも追い詰められている。ジリ貧かと思えばの逆転劇。痛快にして爽快。優れたリーダビリティ。時代小説というだけで避けるのはもったいない作品。2018/09/23
tomtom
16
三代目となった清兵衛に父親の左之助も異母妹のお絹も全然協力的ではないし、やる気もなさそうでなんだか可哀想になってくる。皆がやる気に満ちた店になっていくといいな。2023/07/01