出版社内容情報
澤村伊智[サワムライチ]
著・文・その他
内容説明
“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか。愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性霊能者を頼るが…!?全選考委員が大絶賛!第22回日本ホラー小説大賞“大賞”受賞作。
著者等紹介
澤村伊智[サワムライチ]
1979年生まれ、大阪府出身。幼少期より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂作品を敬愛する。2015年、『ぼぎわんが、来る』(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回日本ホラー小説大賞“大賞”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
614
ホラーであること以外、何の情報も持たず読み始める。短編集かと思ったら長編小説だった。章毎に夫、妻、フリーライターの立場で一家を狙う怪異の顛末が描かれる。終盤までグイグイ読ませる筆力あり。ただ、クライマックスたる【ほぎわん】と琴子の対決は迫力はあるものの単調でメリハリに欠け、しかもかなり長く途中で眠くなる。家族がお互いを思い大切にしないと家に魔物を引き寄せてしまうので気をつけましょう、という本。巫女の琴子と真琴の姉妹をもう少し前面に出せばシリーズ物としてやって行けそうなのに、と思っていたら既になってました。2022/09/10
yoshida
367
幼い頃に触れた怪異「ぼぎわん」。とっさの祖父の行動で難を逃れたが、約20年後に再び怪異が迫る。民俗学や呪いに加え、昔からの夫婦の確執等を取入れ引き込まれる。子供が産まれてからの夫婦の確執、特に言葉の応酬はかなりの鬱展開だった。小説だけに極端に表現したのだと思う。また、余りに人を殺させ過ぎと感じた。最終的な対決の場面でも、早くそれを使えば良いのではと思ったりする。私が実話怪談モノが好きなので、好みのギャップだろう。ホラーエンタメかつこれが第一作ということを鑑みれば、労作と思う。荒削りではあるが読ませる作品。2018/08/04
しんたろー
309
澤村伊智さん初読み。タイトルが気になりつつホラーなので敬遠していたが、中島哲也監督で映画化と聞いて手に取る…いかにもありそうな民俗学的な話と現代の育児事情を絡めて描かれるストーリーが巧妙で、章によって視点が変わることで深みを増しているのも上手い。「イクメン」ブームに痛烈な風刺を投げ、夫婦関係をも考えさせられた。怖さはカレーで言えば中辛程度に感じたが、それでも第1~2章はゾッとさせられたし、第3章の霊媒師vs化け物の壮絶な戦いはアニメを観るようで楽しめた。こりゃ、比嘉姉妹が活躍するらしい次作も読まなくては♫2018/03/24
デーカ
308
本屋でふと目に付き、表紙とタイトルのインパクトからジャケ買い。ホラー小説は久しぶりです。怖かったというより、面白かった。と、言うのは強がりで、我が身に同じ事が起きたらパニックだろうなぁ。映画化らしいので、そちらも期待できそうです。2018/06/22
ふじさん
304
第二十二回日本ホラー小説大賞を受賞した、著者のデビュー作にして「比嘉姉妹シリーズ」第一作。飛び抜けた娯楽性が頁を繰る手を止めさせない秀作だった。極めて端正な怪談に始まった物語は、次第にモンスターパニックのように、果てはある種の能力バトル物のように次々と色味を変えて全く飽きさせない。その根底には無思慮に「斯くあるべし」とされる家族像を問い直す主題が敷かれており、これが全体を散漫にさせず見事に纏めていた印象。個人的な相性として、人間の言葉を話すのに支離滅裂で対話出来ない種類の怪異が無性に苦手で、震え上がった。2021/11/22
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