出版社内容情報
誰も本当の名前を思い出せない、不思議な表情をしたただFと呼ばれるとらえどころのない少年。シューズメーカーのお客様係に勤める43歳の容子は、不良品のクレームを会社が隠ぺいしようとしていることに気がつく。どうすべきか迷った容子は、ふとFだったらどうするだろうと自問する。若いころ悪だった43歳の悦史は、解体業を営む今も高校の頃リンチに遭わせたFの発した言葉に捕らわれていた。老舗の茶商で社長を務める41歳の有輔は、25年前淫蕩な母をナイフで刺そうとした自分を押しとどめたFの一言を思い出していた。目撃談のように語られる、それぞれの人生に立ち会うFの記憶。それは今も深く心の奥底に生きている。誰も彼のことを詳しくは知らない。そして、最終章で描かれる本当のFの視点……。ミステリアスな構成から紡ぎだされる陰から光に、喪失から再生へ、一歩踏み出す人の背中を押してくれる一筋の光のような物語。
内容説明
誰も本当の名前を思い出せない、ただFと呼ばれる彼。会社の不正を知った43歳の容子は、Fだったら、と自問する。解体業を営む43歳の悦史は、高校でリンチに遭わせたFの言葉に今も囚われている。41歳の有輔は25年前、淫蕩な母をナイフで刺し殺そうとしていた自分を止めたFの一言を反芻していた。目撃談のように語られるそれぞれのFの記憶。人生において喪失は再生の始まりであることを描いた一筋の光のような美しい物語。
著者等紹介
吉永南央[ヨシナガナオ]
埼玉県生まれ。群馬県立女子大学卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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coco夏ko10角
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hiromura
へいがぁ
gmax