出版社内容情報
妖怪の棲む世界にやってきた私は、いったい何者なのだろうか?過去も記憶も喪い、妖怪の世で目が覚めた私は、かわいらしい妖怪達に囲まれ文字を教える「先生」として生活していた。いつも傍らにいるのは、私を知っているらしいアオバズク。私はいったいなぜこの世界にきたのか。
小松 エメル[コマツ エメル]
著・文・その他
内容説明
過去の記憶を喪い、妖怪たちの住む世界で目覚めた人間の姿の私は、いつしか彼らと暮らすことになった。妖怪たちに乞われ、文字を教える「先生」となったが、彼らに教える日々は、時に退屈で、時に充実していた。だが、私が一体何者で、なぜこの世界に来たのか、誰も知るものはいなかった。いつも私の傍から離れないアオバズクは、なにか知っているのだろうか。ある日、烏帽子を被った一つ目の妖怪が私の前に現れ、二つ目の月に触れれば、元の世界に戻れるというのだが…。衝撃のラストが誘う切ない涙。注目の気鋭による長篇小説。
著者等紹介
小松エメル[コマツエメル]
1984年東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。母方にトルコ人の祖父を持つ。2008年、ジャイブ小説大賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダミアン4号
61
記憶を失った私は目覚めると妖怪達の暮す世界に…ここに来る前に…なにか大切なものを…なにか悲しい出来事が…はっきりしない記憶…フラッシュバックする様に蘇る会話…「先生の嘘吐き!酷い人…」大切な愛しい誰かからそう言われた様な気が…人間を決して歓迎はしていない妖怪達…でも、何となく…知る様な知らぬ様な…微妙に親切で可愛らしい(笑)たどり着いたあばら家で妖怪達に字を教え…こっちでもあっちでも“先生”と呼ばれる私はいったい…何度も何度も溺れかけ…幾度も幾度も夢を見て…気が付くとまたここに…幻想的で切ない物語でした。2019/06/30
たいぱぱ
60
ゴッドエメルの長編、初読みです。決戦シリーズでの短編読んだ時は、イメージより骨太の感じがしましたが、こちらは良くも悪くも女性らしいイメージ通りの作品でした。妖怪界(?)にやってきたひとりの男の話ですが、柔らく幻想的な世界観、そして物悲しさ漂う不思議な連作短編集でした。2019/06/02
ぽろん
39
なんとも幻想的で不思議な物語だった。同じ情景が何度もリフレインする。リフレインする毎におぼろげながら、主人公の背景が読めてくる。梟の正体が透けてくる。ラストは、ハッピーエンドなのか?それとも、まだ、醒めやらぬ夢の途中か?捉えどころのない物語でした。2018/05/23
信兵衛
34
人間とは感覚の異なる妖怪たちがわんさと主人公の周りに出没して、とにかく賑わしい。そんな妖怪たちとの関わり、やり取りにはくすぐったいような可笑しさがあります。2018/05/31
Hisasi Hasida
18
アニメ化したら、結構オモシロそうやなぁ~ッ !! って、思ったお話 。。。2018/09/30
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