出版社内容情報
ドイツと日本、二つの国で次々に見つかる新事実、「遺譜」に記されていた内容とは? 第二次世界大戦当時から現代へと綿々と続く「盟約」を護り続ける者と、それを狙う者。浅見光彦が迎える史上最大の危機!
内容説明
美貌のヴァイオリニスト、アリシアから「遺譜」捜索の依頼を受けた浅見光彦は、依頼の裏に戦前日本とドイツまで遡る陰謀があることに気づく。浅見家にも繋がる「遺譜」に隠された盟約と、陽一郎の暗躍。真相を確かめるため赴いたドイツで、アリシアの祖母から明かされた哀しい事実は浅見の大義と正義を揺るがす。70年の時を経て甦る陰謀に、浅見家の人間として下す究極の決断とは―。国民的名探偵が迎える衝撃のラスト!
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。08年3月、第11回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
61
浅見光彦シリーズとしては最後の完結作品になってしまった。でも、いつもとは違う後半の展開に何か思うところがあったのか?と思いを巡らせてしまう。永遠の33歳が誕生日を迎えひとつ歳を重ね…転機を迎えたんだな…と思ったが、やはりすぐには結婚にはなりそうになくホッとしたり。ものすごい大作になって最初の方の細かなところを忘れてしまいそうだったけれど。たっぷり浅見光彦を堪能した。また浅見さんに会えそうなラストで終わったけれど、残念ながらあとは未完の連載が本当に最後になるんだな。シリーズ最初からまた読んでみたい。2018/05/15
との@恥をかいて気分すっきり。
29
内田さんの作品はお初でして、実は読み始めてからシリーズものであることが分かった次第です。「これは順番に読まなければならないのだろうか?」と思いながらもその面白さから読み進めてしまい、気がつけば読み終えてしまいました。どんだけ風呂敷を広げるつもりやねんと思うほど展開して、果たしてこれは綺麗に決着がつくんかいなと心配しましたが、お見事な納め方でした。面白かったです。2017/11/02
jin
13
内田康夫さんの訃報を聞き、積読の中からまずこの『遺譜』を手に取ることにした。浅見光彦との出会いは中学生まで遡る。大学生になって他の推理小説を読み始めるまで、長い間唯一の新刊待ち作品だった。あのころのワクワク感はもう得られないけれど、久しぶりにこの定石感を味わった。読んでいくとなぜか最終的には浅見光彦がだんだんイヤな奴に思えてきて、いい別れのタイミングになった気がする。浅見光彦から旅立つよ。長い間お世話になりました。ありがとうございました。2018/03/25
いーたん
13
第二次世界大戦時に起きたナチスによる頽廃芸術とされた絵画の隠蔽を廻る事件簿。そして、戦後復興の側面もあり、久々に読んだ浅見光彦シリーズとしては読み応えがありました。『最後の事件』とありましたが、もう少し続きそうです。佐和との結婚を決意することを考え始めた浅見光彦。彼の物語が完結する時は、数多のヒロインがおれど、佐和と結ばれて欲しいと思う。思うけれど、須美ちゃんの可能性もあるのかな?とも思います。いずれにせよ、これを機に浅見光彦シリーズにハマりそうです。2018/01/04
mim
12
個人的には狐道よりもこっちの方が最後の作品の感じがする。 浅見ちゃん結婚したかな?2020/03/22