内容説明
夏の公園に虐待の傷を負い捨てられていた黒いラブラドールレトリーバー。介助犬訓練士の三崎達郎は、犬に運命的なものを感じテレサと名づけ介助犬として育て始めた。かつての母の死によって心の傷を抱える達郎はテレサに不思議な癒やしの力を感じたのだ。やがて、公園で出会った12年も口が利けなかった女性をテレサは治し、達郎はその瞳が起こす奇跡を目の当たりにする。だが直後、テレサの飼い主だと名乗る男が現れ…。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
1998年作家デビュー。2003年『忘れ雪』が大ベストセラーとなる。その翌年には『ある愛の詩』を、06年には『あなたに逢えてよかった』を刊行し、涙がとまらない“純愛小説”という新しいジャンルを打ち立て、話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
56
年寄は涙もろいのです。先程までは可愛い女の子と中年のオッサンの恋物語を読んでいて( ̄ー ̄)ニヤリとしていたのに。今度は涙々で顔を上げられないじゃないですか( ;∀;)。虐待を受けて育った介助犬訓練士の達郎とテレサ。人と犬の違いはあれど心に傷を負って愛情が信じられない者同士が寄り添う。しかもこれほどまで落とすのかと思われる達郎の障害とテレサの死。いくらなんでも・・と思うけれど最後の方で二つの奇跡を与えれたことは喜びだが・・切なかった。しんどかった。2019/02/07
タイ子
52
あー、どうしても犬の物語には弱いなぁ。幼少期に父親から虐待を受け今は介助犬訓練士の達郎。ある日公園で虐待を受けて放置されたラブラドールレトリーバーを見つける。その犬は人を癒す不思議な瞳をしていた。テレサと名付け、介助犬に育てようと必死の訓練をしていく。介助犬とそのユーザーになる難しさが伝わってくる本。そして、達郎の前にテレサの元の飼い主が現れた時から歯車が狂い始める。人間不信と恐怖を植え付けられた人と犬の絆が涙が出るくらい愛おしい。妻から普遍の愛を、テレサから無償の愛を・・・。光射すラストに救われる。2018/12/24
たち
35
ごめんなさい。私には合わなかったようです。おまけに、昔飼っていた犬を思い出して泣く始末…。犬が出てくる本はダメです…。2020/03/03
伊之助
26
全文試し読みで読ませてもらいました。最近、犬が登場の作品によく手が伸びる。読友さんの感想で興味をもち馳星周の犬が主人公の短編を読んでいたが、期間限定につき犬つながりのこちらを優先。泣いて下さいが前面に出た作品だが、瞳に不思議な力を宿す主役のラブラドールは魅力的。こういう犬と会ってみたい。2018/12/02
だりあん
17
白新堂本。…妹子を泣かせてやる。2017/10/15