出版社内容情報
「震災を、福島を報じなくては――」2011年3月11日、一人の新聞記者が死んだ。福島民友新聞記者、熊田由貴生、享年24。福島県南相馬市で津波の最前線で取材をしていた熊田記者は、自分の命と引きかえに地元の人間の命を救った。その死は、仲間に衝撃を与えた。それは、ほかの記者たちも同じように津波を撮るべく海に向かい、そして、生命の危機に陥っていたからである。なかには目の前で津波に呑まれる人を救うことができなかった記者もいた。熊田記者の「死」は、生き残った記者たちに哀しみと傷痕を残した。取材の最前線でなぜ記者は、死んだのか。そして、その死は、なぜ仲間たちに負い目とトラウマを残したのか。非常用発電機のトラブルで新聞が発行できない崖っ淵に立たされ、さらには放射能汚染で支局も販売店も避難を余儀なくされた福島民友新聞を舞台に繰り広げられた新聞人たちの壮絶な闘い。「命」とは何か、「新聞」とは何か、を問う魂が震えるノンフィクション――。
門田 隆将[カドタ リュウショウ]
1958年(昭和33年)、高知県生まれ。中央大学法学部卒。ノンフィクション作家として、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなど幅広い分野で活躍。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。主な著書に『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』(新潮文庫)、『太平洋戦争 最後の証言』(第一部?第三部・角川文庫)、『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』(PHP研究所)、『記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞』(角川書店)など。
内容説明
2011年3月11日、一人の新聞記者が死んだ。福島民友新聞記者、熊田由貴生、享年24。大津波の最前線で取材していた若き地元紙記者は、なぜ死んだのか。そして、その死は、なぜ仲間たちに負い目とトラウマを残したのか。記者を喪っただけでなく、新聞発行そのものの危機に陥った「福島民友新聞」を舞台に繰り広げられた壮絶な闘い。「命」とは何か、「新聞」とは何か、を問う魂が震えるノンフィクション―。
目次
激震
助けられなかった命
救われた命
目の上の津波
堤防を乗り越える津波
機能を失った本社
救世主
本社はどうした?
「民友の記事を」
「民友をつぶす気ですか」
放射能の恐怖
配達された新聞
地獄絵図
思い出
それぞれの十字架
遺体発見
傷痕
著者等紹介
門田隆将[カドタリュウショウ]
1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。戦争、事件、司法、スポーツ等、幅広いジャンルでノンフィクションを執筆。『この命、義に捧ぐ台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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