出版社内容情報
戦中・戦後に無頼派として活躍した著者の、大阪の魅力溢れる名短編集!太宰治、坂口安吾とともに無頼派として活躍し、大阪という土地の空気とそこで生きる人々の姿を巧みに描き出した短編の名手による表題作を始め「夫婦善哉」「俗臭」「世相」など代表的作品を集めた傑作選。
織田 作之助[オダ サクノスケ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
131
無頼派作家であるが故に描ける世界があるように思いました。庶民の機微を俗世に絡めている雰囲気は、そこに生きる人々の人生そのものを伺わせます。そして全体的に女性が強い気がしました。逆に男性がちょっと弱い感じがするので、もっとしっかりしろよ、と言いたくなりますが。古き良き大阪の空気が伝わってくるのもいいですね。第10回芥川賞候補作家であり、後に織田作之助賞が作られたことからも文壇の寵児という印象を受けました。面白かったです。2017/01/17
青蓮
94
作品に登場する女性達の強さ、逞しさは如何にも商人らしい気質だ。肝が据わっていて頼もしい。それとは反対に男達の情けなさよ。でも何故か不思議と憎めず、愛嬌がある。大阪には行ったことがないけれど、陽気でからりとした気風が伝わってくるようだ。町の様子も細かに描写されていて実際に行って知っていたらもっと楽しめたのかも。織田作の作品にはあまり悲壮感がなく、あるのは温かな人情だ。深刻で悲惨なことでもユーモアに変えてしまう織田作の手腕は見事。「女の橋」「船場の娘」「大阪の女」の連作が良い。2019/08/04
aquamarine
83
細やかに過去の大阪という地を連想させる文章が好きだ。その中をまるで見えるように生き生きを人物が動く。惚れたら最後、それがどんなに甲斐性なしであろうが、無情であろうが、男のために身を粉にするたくましい女たち。なぜ別れない、なぜ愛想をつかさない。そう思いながらも尽くす女の気持ちがわかる自分に苦笑する。貧乏の連鎖、どうにもならない家柄と血。それでも諦めなければ生きていける、食べていける。著者の描く女は強い。コロナ禍という今の時期も相まって彼女らのパワーが眩しい。途中連作になっていた雪子の話が一番好き。2020/08/23
ehirano1
80
なぜか政子が目の前で愚痴っているようなリアル感がたまりません。時折、「まあまあ」とか「それは気の毒だねぇ」なんてついつい口走ってしまう始末www。でもなんだかとっても心地好いです。2026/01/05
優希
80
面白かったです。無頼派作家であるということから描ける世界観があるのだと思いました。庶民の機微を俗世に絡ませている空気感は、そこに生きる人たちそのものなのでしょう。女性が強く、男性が気弱いのですが、何故か不思議と馴染んでしまうんですよね。古き良き大阪の空気が感じられるからでしょうか。第10回芥川賞候補作であり、後々織田作之助賞が成立したのも分断の寵児という印象を受けました。2019/08/16




