出版社内容情報
「記憶」をめぐる切ない物語の、感動と衝撃の真実が明かされる!新聞記者の猪瀬と「記憶屋」探しをする高校生の夏生。だが2人が手掛かりとして接触した男性の記憶が消えてしまう。記憶屋は夏生の側にいる人物――親友の芽衣子なのか。夏生は直接訊くことにするが……。
織守きょうや[オリガミキョウヤ]
著・文・その他
内容説明
高校生の夏生が、4年前に巻き込まれた集団記憶喪失事件。「記憶屋」の関与を疑う新聞記者の猪瀬に頼まれ、夏生は記憶屋探しに協力していた。だが、手掛かりとして接触した料理人の男性の記憶が消えてしまい、猪瀬は夏生の親友・芽衣子への疑いを強めることに。夏生はこれ以上記憶屋に近づきたくないと訴えるが、その矢先に猪瀬と一緒にいるのを芽衣子に見られてしまい…。記憶屋をめぐる、衝撃の真実がついに明かされる。
著者等紹介
織守きょうや[オリガミキョウヤ]
1980年イギリス・ロンドン生まれ。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年「記憶屋」(受賞時ペンネーム京谷)で第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。現在弁護士として働く傍ら小説を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
217
記憶屋Ⅱの続きのストーリー。高校生の夏生が主人公で記憶屋Ⅱでの事件につい調べていくが、最後に記憶屋の正体が明かになり、そうなんだという程度。記憶屋Ⅱと同じように記憶を消すことの是か非かの議論やつぶやきが多くて食傷気味。やっと読了した。2017/12/08
紫綺
137
記憶屋シリーズ完結編。やっぱりそうか、そうきたか!失くしたい記憶、失くしたくない記憶、その善し悪しの判別は他人がすべきではない・・・ということだな。毬谷柊のエピソードは、出てくる料理を含めてなかなか楽しめた♪2017/01/25
シナモン
116
図書館本。人の記憶を消せる怪人ー記憶屋の正体がやっと明かされました。料理人毬谷と砥上のエピソードは直接記憶屋探しには繋がらなかったけど、一度気まずくなってしまった(と自分が勝手に思い込んでいた)人間関係の修復は正直が一番だとじーんとした気持ちになりました。何度も記憶屋についての考察が繰り返され、じれったいなーと思うこともありましたが、最後は伝説の記憶屋…とかでぼかすのではなく、はっきり正体が分かったので読後感はすっきりでした。映画も楽しみにしてます。2019/10/15
りゅう☆
104
毬谷の記憶が消えた?15年前のコンテストと昨年のパーティを知らないと言う。そして同じ料理人砥上の存在も消えた。記憶屋による消されたエピソードの一つと思いきや、そこには毬谷の切ない思いが描かれていた。有名人を親に持ち傲慢だが本当は繊細な毬谷。ただ砥上と友達になりたいだけなのに。維持とプライドと言葉足らずが生んだ誤解。だからこそ記憶を失って初めからやり直したいと思う願いに記憶屋は…。結果、良かったと思える展開に安堵。自分の記憶を消すなんて怖い。楽になるけど無防備になる、その原因に対して対応も対抗もできない。→2020/01/23
インド
104
辛い記憶を抱える人々と、「記憶屋」の物語、ついにフィナーレ。第1巻から10年後、姿を消したはずの都市伝説「記憶屋」が復活。記憶に関わる不思議な現象を経験した夏生は、親友の芽衣子が「記憶屋」の正体ではないかと不安を抱く。どのシリーズもサブキャラのエピソードが濃密。彼等の希望や後悔を知り、記憶の大切さを学んだ気がする。でも、記憶に勝るものはあると思う。記憶が過去の積み重ねだとすれば、それに勝るものはたぶん、現在の外との繋がりかな(´・ω・`)。とても希望のあるエンディングだったー。2017/08/06