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山の霊異記―霧中の幻影

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  • サイズ B6判/ページ数 192p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041044742
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

山岳怪談実話の名手による、山の霊気に満ちた怪談集霧の山道で背後からついてくる操り人形のような女性、登山中になぜか豹変した友人の態度、「死ぬ人の顔が見える」という三枚鏡……。登山者や山に関わる人々から聞き集めた怪異と恐怖を厳しい自然とともに活写する。

安曇 潤平[アズミ ジュンペイ]
1958年、東京都生まれ。ウェブサイト「北アルプスの風」を主宰。山登りと酒と煙草を愛する。99年、くも膜下出血を発症するも奇跡的に回復する。その後、サイト内にて怪談作品を発表。2004年、『幽』第二号から連載の「山の霊異記」でデビューする。08年に怪談集『山の霊異記 赤いヤッケの男』を刊行。怪談語りにも長けており、さまざまなメディア(怪談TV番組、『R25』、『ほんとにあった怖い話』など)で山の怪談の第一人者として取り上げられるなど活動の場を広げている。

内容説明

すれ違う登山者と挨拶をするたびに返ってくる怪訝な表情。焦燥感に囚われはじめた矢先、謎めいた男が告げた“事実”が恐ろしい「命の影」。友人と縦走する山道をずっとついてくる女性の動きが操り人形のようで不気味な「ついてくる女」、あまりの恐ろしさに、著者が山と距離を置くきっかけとなった体験「山を這う蟻」など、厳選した16話を収録。山とその裾野で遭遇した不思議なできごとを、美しくも厳しい自然とともに活写する。

著者等紹介

安曇潤平[アズミジュンペイ]
1958年、東京都生まれ。ウェブサイト「北アルプスの風」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

279
山岳怪談の専門家・安曇潤平さんの「山の霊異記」シリーズの4冊目の著作ですね。本書は大部分が著者の実体験で「俺」という人称で綴られる物語は山岳紀行文としての風情もあって全16編の全てが一級品の誠に素晴らしい内容ですね。『三枚鏡』信州の松本からK温泉に向かう国道の北東に壁のように立ちはだかるT峰を登っているとカーキ色の山シャツにグリーンの帽子をかぶった若い女性に出会う。女性と話をし彼女はポーチから3枚の鏡が繋がるコンパクトな三面鏡の様な鏡を出して見ていた。それから先に行き後に再び会うと彼女がまた鏡を見ていた。2022/03/24

HANA

59
実話怪談を離れ、完全に山を舞台とした怪談小説になっている。でも最近の実話怪談では削ぎ落とされている描写の数々、山中や里のそれは読んでいて何とも心地よい。怪談としては微妙な話も多いが、山を楽しむ小説としてはむしろ現在の流行から離れた浮世離れしたような、こういう話の方が相応しいのかもしれない。特に「河童淵」等は昔訪れた遠野の風景が幻想を包み込むように懐かしく思い出されたし、山の描写の数々は最近登山を始めた身として何とも誘い込まれるように感じた。怖かったのは何といっても「ぼくちゃん」、サイコホラーでしょ、コレ。2016/07/20

ネムコ

50
私にとって安曇さんのお話は山の物語です。実際には大変な登山の辛さがさらりと書かれているところが良い。『急登を30分ほど頑張ると』なんてあると、自分でも登れる気がしてきます(笑)。あ、一応怪談なんですよね。強いて言えば「付きまとう女」はイヤです。それから確かに行って飲み食いしたのに、後日知り合いが探してもその店が見つからないといった、狐狸に化かされたような体験談が多いのも安曇怪談の特徴ですね。一番派手だったのは「霧中の幻影」。蛇を虐めるのはやめましょう。2017/04/04

澤水月

38
ある作中に「いつ気味の悪い話になるんだよ」と出てくるが昨今の実話怪談慣れしてる人には合わないかもしれないし、そも「実話」でない完全創作創作も多い。それでも遠野の独特の雰囲気は自分が河童淵を訪ねたときの郷愁をありありと思い起こさせたし、ぼくちゃんはかなり怖い。山の風景、花、グルメを楽しみたい人向け綺譚集。2016/07/06

ichi

30
【図書館本】登山時に霊と遭遇したという短編集。これは実話なのか?作者が体験したように書いてあるので実話である。と感じますが、この本を読むと、山には常に霊が浮遊しているように思ってしまいます。2016/12/26

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