二階の王

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041035573
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

選考委員(綾辻行人、貴志祐介、宮部みゆき)も驚嘆のホラー大賞優秀賞作品【第22回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作】
30歳過ぎのひきこもりの兄を抱える妹の苦悩の日常と、世界の命運を握る〈悪因〉を探索する特殊能力者たちの大闘争が見事に融合する、空前のスケールのスペクタクル・ホラー!

選考委員も驚嘆!
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破天荒な大風呂敷が広げられる。総合的な筆力では今回の候補作中、一頭地を抜いていると感じた ――綾辻行人
『悪因研』の活動が、すべて○○であったとしたら、かなり怖いサイコホラー。違った楽しみ方もさせてもらった ――貴志祐介
邪神との闘いという王道のモチーフに果敢に挑んだ力作。読了後、確かにタイトルはこれしかないと、しみじみ納得 ――宮部みゆき
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 東京郊外で両親と暮らす八州朋子には、大きな悩みがあった。30歳を過ぎた兄が二階の自室にこもり、家族にも姿を見せない生活が何年も続いているのだ。職場で知り合った男・加東に心惹かれる朋子だが、兄のことは話せずにいた。
 そのころ、元警察官の仰木と6人の男女たちは、考古学者・砂原が遺した予言を元に『悪因研』を名乗り〈悪因〉の探索を続けていた。〈悪因〉は人々を邪悪な存在〈悪果〉に変えて破滅をもたらす。6人は五感で〈悪果〉を識別する能力を持つ者たちだった。
 〈悪果〉を嗅ぎ分ける男・掛井は、同じショッピングモールで働く朋子への想いを募らせている。そして、掛井の仲間・卓美がある症状を発症し……。

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クトゥルー神話を思わせる魅力的な異形描写や、「世界の命運を握る存在」という大掛かりな題材。
それらと不思議にも共存する、「ひきこもり」という現代社会的なテーマ。
日常感覚に立脚し共感性の高い、女性主人公ほか登場人物の心情描写のバランスにも注目の作品。
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装画=藤田新策

名梁 和泉[ナバリ イズミ]
著・文・その他

内容説明

東京郊外で両親と暮らす朋子は、三十歳過ぎの兄が何年も二階の自室にひきこもっていることに悩んでいた。そのころ、元警察官と六人の男女たちは、考古学者の予言を元に、人々を邪悪な存在“悪果”に変え世界に破滅をもたらす“悪因”の探索を続けていた。“悪果”を嗅ぎ分ける男・掛井は、職場で接点がある朋子への想いを募らせている。ある日、仲間の一人が急死し、身近に怪しい気配が迫り始めて…。

著者等紹介

名梁和泉[ナバリイズミ]
1970年、東京都生まれ。明治大学卒業。現在、会社員。2015年、「二階の王」で第22回日本ホラー小説大賞(優秀賞)を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

109
序章から、ひきこもり少年の繊細なやり取りと、世に破壊と渾沌をもたらす存在〈悪因〉が人の姿を借りて現れる〈悪果〉なんて伝承並べたら一気に引き込まれること必至!なるほど、その〈王〉が蔓延る安全な場所が二階。主人公が持つ嗅覚の描写を顕著に、五感から悪果の存在を感知するという設定が面白い。引きこもり故に持つ特殊能力から、普通の人達が感じ得ない物が判るという恐怖はなかなか上手い。中盤での〈従者〉の出現から様々に入り組んで盛り上がるだけに、こじんまりとした終盤が少しあっけない。『悪魔を憐れむ歌』の歌詞ありきなのかな…2018/09/27

みっちゃん

108
大変面白く読んだ。ひきこもりの兄の存在に苦しむ妹の独白で始まったと思ったら、民家の2階の一室が実は、世界の存亡に深く関わっていたという驚き。終盤、おぞましい障気を拡散させていたものの意外さとか、兄の正体に二重に驚かされたりとか、最後まで飽きる事がなかった。ずっと気になっていたのは、これが全て自らを「探索者」と自覚する者達の妄想だったら?という事。そうなるとさらに怖い。2016/03/15

ゆみねこ

76
ショッピングモールのアルバイト店員・朋子には、自宅の二階に引きこもったままの兄が居る。並行して語られる悪因研の活動、引きこもりの兄とどうつながっていくのか、先が気になって一気に読めました。二階の王とは、いったい何だったのか。ラストがちょっとあっさりとして、怖さはちょっとトーンダウンしたけれど、これがデビュー作ということなので、楽しみに作品を待ちたい作家さんですね。2017/06/09

のっぱらー

72
「二階の自室に籠もったまま家族にも姿を見せない引きこもりの兄」。ある意味現代にはありがちなテーマから、極限まで風呂敷を広げるとこうなりました、という感じの作品。引きこもりの話から、世界の危機を救うという話まで広げきった著者の意気込みがまずすごい。若干強引な感はなくもないが、全体的に破綻することなくまとめ上げた筆力もなかなか。あの「ぼぎわんが、来る」に次いで日本ホラー小説大賞優秀賞を受賞したことにも納得の作品でした。2016/03/17

りょうこ

69
なんか中盤までよくわからなくて..ちょっと惰性で読んじゃったけど後半にいくに従ってなんかわかってきたら一気に読めた。ホラー..なんですよね?個人的にはホラーっていうよりグロ系な感じがしたが..読み終えてみると面白かったかも(笑)2016/12/25

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