暗手

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  • サイズ B6判/ページ数 464p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041032121
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

生きるために堕ち続ける『不夜城』『夜光虫』の衝撃から20年
究極のクライムノベル誕生!

台湾のプロ野球で八百長に手を染め、罪から逃れるために次々と殺しを重ねた加倉昭彦。居場所を失い、顔も名前も変えて過去を抹消、逃れ着いたのはサッカーの地イタリアだった――。イタリアの黒社会では、殺し以外の仕事なら何でも請け負い、いつしか「暗手」――暗闇から伸びてくる手――と呼ばれるようになっていた。そんなある日、サッカー賭博の帝王・王天から、ロッコに所属する日本人ゴールキーパー・大森怜央に八百長をさせろとの依頼が舞い込む。計画実行に向けて着実に準備を進めていく加倉だったが、大森の姉の写真を目にしてから過去の記憶がよみがえり、計画の歯車が狂い始める……。

◆作家、書評家より、賞賛の声続々!!◆

言い訳はしない。赦しも求めない。ただ傷ついたまま、男はより深い闇へと分け入る。
破滅へと向かう独りよがりの自我を描かせたら、やはり馳星周はピカイチだ。
東山彰良(作家)

生への意味を、誰かの中に見出そうとする虚しさと渇き。決して実らない祈り。
桁違いの業深さ、ここにあり。
垣根涼介(作家)

初期への回帰!馳 星周節が戻ってきた!
謳いあげられる血まみれの絶望と孤独の何と甘美なことか。紛れもない今年の収穫だ。
池上冬樹(文芸評論家)

『夜光虫』から19年。主人公・加倉昭彦の復活は、馳 星周の新たな可能性を拓いた。
裏社会で蠢く、血に飢えた男たちの姿に胃の腑が抉られる。
弩級のエンターテインメントだ。
東 えりか(書評家)

人を守る気持ちが芽生えた時、その人のためにさらに冷酷非情になれる。
「暗手」こと加倉の、「人間味を帯びた殺人者」としての魅力に溢れた
ノワールの傑作である。
三島政幸(啓文社西条店店長)

一度地獄に堕ちた人間をさらに突き落とす。
これは馳 星周にしか書けない、もっとも危険で哀しいゲームだ。
杉江松恋(書評家)

最初の1ページで、一撃で、否応無しに物語世界に引きずり込まれる。
死なずに、生きる。それは大きな決断なのだと、この小説は言う。
死なずに、生きろ!この小説は、そう言う。
自己記録を更新し続ける馳 星周の、完全なる最高傑作。
吉田大助(書評家)

ラストまで手が止まらない。“いま”にふさわしい、新たなノワール小説の発火点。
まさにエポックメイキングな作品だ!
タカザワケンジ(書評家)

馳 星周[ハセ セイシュウ]
1996年、『不夜城』でデビュー。これまでに吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、大藪晴彦賞ほかを受賞。

内容説明

台湾のプロ野球で八百長に手を染め、罪から逃れるために次々と殺しを重ねた加倉昭彦。居場所を失い、顔も名前も変えて過去を抹消、逃れ着いたのはサッカーの地イタリアだった―。イタリアの黒社会では、殺し以外の仕事なら何でも請け負い、いつしか「暗手」―暗闇から伸びてくる手―と呼ばれるようになっていた。そんなある日、サッカー賭博の帝王・王天から、中堅チームに所属する日本人ゴールキーパー・大森怜央に八百長をさせろとの依頼が舞い込む。計画実行に向けて着実に準備を進めていく加倉だったが、大森の姉の写真を目にしてから過去の記憶がよみがえり、計画の歯車が狂い始める…。

著者等紹介

馳星周[ハセセイシュウ]
1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

362
『夜光虫』再読からノンストップで。総合的には満足度高めだが、どうしても比べてしまう。八百長に引き込むための手段がベタすぎたり、大森姉が加倉に惚れるのがやけに唐突だったり、ところどころプロットの練りが甘く感じられる展開があったり。主人公の加倉が前作ラストの時点ですでに人外の域に達している為、妄執に共感しづらいというか”堕ちていく”という表現が似合わない。堕ちるどころか行くところまで行ってしまっている。ノワールというよりはハードボイルドに近づいているように思えた。しかしまぁ、さらに続編出るようなら読むだろう。2017/05/14

おしゃべりメガネ

211
これぞまさしく待ち望んでいた唯一無二な馳星周ワールドです。やっぱり馳さんの作品はこうじゃないととある意味、懐かしくすら思える作風でした。ノワールではないかもしれませんが、主人公が堕ちていく様はとにかく息つく暇もなく、展開していき、ひたすら突き進んでいくその姿にはシビれてしまいます。好みのはっきり分かれる作家さんであり、作風ですがやっぱり私は馳さんの作品は好きなんだなぁと、改めて思いました。無理のあるシチュエーションも少なくはありませんが、そんな些細なことは気にせず、とにかくハードな物語を満喫しました。2017/05/29

starbro

159
馳星周は、デビュー作からずっと読み続けている作家です。久々のシリアスなノワール、450P強一気読みしました。著者の若い頃の作品に比べるとインパクトに欠けるかも知れませんが・・・巨大なチャイナ・マネーが欧州のサッカー界を席巻している状況の裏側では、本作のようにトンデモナイことが行われているのでしょうか?2017/05/18

k5

81
おっ。これは好きな味付け。確実に『夜光虫』より面白いです。イタリアに渡った加倉の枯れ具合がいい感じなのと、八百長をやらされるレオが良いやつなので、話に入りこみやすい。演出として、ノワールよりは、かなり古典冒険小説っぽく、『ジャッカルの日』とか、『もっとも危険なゲーム』とか『赤い収穫』の匂いがしますが、馳ノワールの味もちゃんとする名作です。登場人物に感情移入しやすいのは、単に馳さんが台湾と野球より、イタリアとサッカーが好きなのかな、と思うくらい、人が明るいです。2020/08/25

うわじまお

61
久しぶりの馳星周作品。500ページ近くの大作なのに、あっという間に読了。舞台はヨーロッパ。テーマは八百長。イタリアに流れ着いた主人公・悪霊と、黒社会の強敵との一騎打ち。プロサッカーを見る目が変わるかも? 2017/11/02

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