出版社内容情報
森村 誠一[モリムラ セイイチ]
著・文・その他
内容説明
将軍綱吉の信任を独占した柳沢吉保は、大石内蔵助の真意を見抜いていた。浅野と吉良の闘いの先に幕府まで狙う大石の下に集まった亡國の忠臣たちは、吉良邸への討ち入りに向け“武士”の道を邁進する。一方、悪名高まる吉良家には、主君を護るために命をかけた家臣団がいた。やがて時はみち、音もなく降り積もる銀世界を、運命の対決が血で染める―。己の忠義に生き、命を散らした忠臣を圧倒的迫力で綴る、感涙の歴史絵巻。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生まれ。青山学院大学卒。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞・日本ミステリー文学大賞・吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チョコ
51
大奥でも幅を利かせていた柳沢がここでも思いの方へと動かしている。新井白石や荻生徂徠など、学者をうまく使って世論を操作。今も昔も、大衆感情とそれを操作する中枢のブレインが世の中を動かしてるなぁ。吉良側の家臣たちも忠臣で、壮絶。今この令和時代では、絶対いないであろう人たち。歴史では、代が変わり奥が変わり、柳沢も失脚していくという。栄枯必衰。吉良側からの見解、面白かった!2025/01/07
ちゃま坊
17
水面下での戦いは浅野対吉良ではなく幕府対上杉。ちょっと意外。討ち入り場面は吉良の忠臣が浅野の武装集団と戦い、無残に殺されていく様を描写。その後の世論の迫害もむごい。吉良家に大いに同情。2021/03/05
たくのみ
10
逆恨みされ、斬られたうえに、世論は一方的に赤穂びいきに。 家臣の奮闘むなしく、夜中に不意打ちをされ、追い詰められても、上野介は気丈に「家臣がわしを守っているのに逃げ出すわけにはいかない」と見栄を張る。ようやく、権力内での柳沢吉保、間部詮房、新井白石の相互牽制で決着し、吉良家とり潰し、上杉は安堵。真っ白に燃え尽きた色部又四郎のみが、かろうじて勝者と言えるのか。現代の意識で迫る忠臣蔵の再検証。吉良家の一人一人に光を当てた演出は、20年前にはかなり刺激的だったに違いない。2015/06/08
miyatatsu
7
もっと歴史の裏側を見たくなりました。2018/07/06
BIN
5
もはや上杉(色部又四郎)VS柳沢の知恵勝負。討ち入りの日付もすべてモロバレ状態はちょっとやりすぎ感はありましたが、吉良の家臣たちの忠義や色恋沙汰がよく描かれてました。小林平八郎の奮闘は奥方様への愛か。ゆびきりげんまんは卑怯でしょう。ほんと吉良はとばっちり過ぎて同情したくなる作品でした。2022/12/24
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