出版社内容情報
問題は政治による圧力ではない。自民党へのメディア「隷従」の本質。
小選挙区制、郵政選挙以降の党内改革、ネットの普及が、メディアに対する自民党優位の状況を生み出した。「慣れ親しみの時代」から「隷従の時代」への変化を、注目の情報社会学者が端的に炙り出す。田原総一朗推薦。
目次
はじめに メディアを圧倒する自民党
第1章 「慣れ親しみ」だった政治とメディア
第2章 自民党改革に端を発する新・広報戦略
第3章 広報が徹底された郵政選挙
第4章 郵政選挙後、メディア戦略は軽視された
第5章 自民党のネット戦略
第6章 メジャーでマイナーなネットメディア
第7章 縮小するマスメディアとジャーナリズム
おわりに 政治とジャーナリズムと有権者
著者等紹介
西田亮介[ニシダリョウスケ]
東京工業大学大学マネジメントセンター准教授。博士(政策・メディア)。1983年京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。同後期博士課程単位取得退学。(独)中小機構経営支援情報センターリサーチャー、立命館大学特別招聘准教授などを経て現職。専門は情報社会論と公共政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shiozy
24
ふむ、ネット活用に一番熱心なのは自民党らしい。「政治のメディア戦略」はどんどん先鋭化してるのに、「メディアの政治戦略」が構築できていないのがふがいない。本書の論旨には納得できるものの、それにしても学者さんの文章は読みにくい。2016/08/25
Miyako Hongo
19
民主党政権から自民党に代わったとき、それまでの政治家バッシングが一気になくなって微妙に思った記憶がある。□主にネット普及により変わった情報環境に一番早く適応したのは自民党だったという話。政治、メディア、有権者の中で、選挙落ちればただの人になる政治家が一番情報戦に熱心であり、党を挙げてこれに取り組んだのが自民党だった。元広告屋の世耕弘成を中心に行われたその手口を紹介する。何となく前読んだ『戦争広告代理店』を思い出させる嫌な感じ。□この本にあったT2資料、間違いなくプロの仕事。街頭演説の掴みまで教えてる。2016/06/05
ほじゅどー
9
★★自民党がメディアを圧倒している。従来の慣れ親しみの時代から隷属の時代へ。その中で、電通と自民党は55年体制から関係性を保ってきた。勘による選挙からデータによる選挙へ。2016/08/16
takizawa
6
新進気鋭の社会学者によるメディア論/もう一つの現代日本政治。自民党の広報戦略の巧みさについては小泉元首相の頃から指摘されていたのでこのような研究には関心があった。本書の取材の特徴は、著者も述べているように、電通をはじめとする民間企業へのアプローチがなされていること。陰謀論がどれだけくだらないかがよく分かりますね。2016/01/10
tenorsox
5
自民党のメディア戦略についての考察。ダサダサに映るネット対応も他党より圧倒的に進んでいるし、従来メディアへの対応も過去の経験がノウハウとして積み上がってて隙がないと。 話題となったTV局への圧力については合法かつオープンなもので、むしろTV局側がもっと知恵を絞って対抗すべきと手厳しい。メディア側がビジネスとジャーナリズムの両面でだらしないので政治にフリーハンドを与えてしまっているとの指摘には頷くばかり。 メディア側をディスってるが決して政権寄りではなく、むしろメディアの機能不全に対する警告の書。2015/12/14
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