出版社内容情報
一六一四年、鳶田の貧しい村で育った佐助は、己に課せられた宿命を果たすため、村を出る決意をした。だが彼は、その時「真田丸」で待ち受ける過酷な運命を知るよしもなかった──。驚愕の新説が展開される歴史小説。
内容説明
慶長十九年、摂津国鳶田の集落に、貧しくも逞しく生きる一人の少年がいた。佐助と名乗るその少年は、天涯孤独の身となり、流浪していたのを村の長吏によって引き取られたのだ。人々に蔑まれながらも、同じ歳の権太と支え合う生活に、僅かな安息を感じる佐助。だが、彼には討たねばならない敵があった―。佐助の決意に、集う仲間たち。そして大阪へと旅だった佐助は、ついに真田信繁と出会う。新機軸で大坂の陣を描く、著者初の長編歴史小説。
著者等紹介
蒲原二郎[カンバラジロウ]
1977年静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大学卒業後、海外を放浪する。帰国後、議員秘書となり、政治家を志すも挫折。現在は家業をついでいる。2010年3月、第10回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した『オカルトゼネコン富田林組』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ren5000
18
舞台は関ヶ原後の大坂冬の陣夏の陣の話で真田信繁の家臣になった佐助という少年が主人公です。個々に出てくる周りの人々のキャラがよく敵キャラもそれぞれ生きるために一生懸命なのが伝わってきました。戦国時代ものを読んでいる堅苦しさもなく厚い本なのにさくさく読み進められました。終わりかなと思ったところでのサプライズも良かったです。初読みの作家さんですが他の著書も読んでみたくなりました。2015/12/28
mushoku2006
6
本著が初の歴史小説ということでしたが、 歴史考証は緻密で、ストーリー展開も破綻なく、キャラ設定も上手い、 かなりの長編だったんですが、 全然飽きることなく、面白く読めました。 本著の特徴には、 主人公が貧人(非人)階級に流浪の末に流れたとされたこともあります。 お陰で当時の貧人(非人)の人たちがどのように暮らしていたのかが勉強になりました。 その辺が描かれた作品は珍しいと思うので、 その意味でも読み応えがあります。 2015/05/07
Ryuji
4
★★★★☆大坂の陣を舞台にして、石田三成の遺児・佐助(架空の人物)を中心に描いた小説。ストーリーそのものはとても面白いのだが、佐助はいわゆる「猿飛佐助」のことなのか?隆海坊(準主役の僧)は「舞兵庫」のことなのか?磯貝玄播とは一体誰なのか?ということが気になって気になってしょうがない小説でした(結局最後まで分からず・・・)。主役級の登場人物はほぼ架空(真田信繫父子は別)でストーリーも創造でしょうが、冬の陣での真田丸での攻防や夏の陣での道明寺の戦いなどは良く研究しているなと感じた。2017/07/03
月並
3
文体は歴史小説なのに、登場人物がマンガっぽかった。合戦のところは展開が気になる余りにどんどんページを進めてしまった。2016/07/24
こずえ
3
先月読了。和田竜さんに代表されるネオ歴史小説(テンポよい内容、読みやすい文体、映像的な展開やキャラクター)が好きな方は必読。厚みのある造りの本ですけどぐいぐい読めます。面白かった…!大河に合わせて文庫にならないかしら…2015/08/26
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