出版社内容情報
櫛木 理宇[クシキ リウ]
著・文・その他
ヤマウチ シズ[ヤマウチ シズ]
イラスト
内容説明
オカルト研究会の頼れるアネゴ、藍の卒業を祝し、オカ研の面々は温泉旅行に出かけることに。しかし猛吹雪のせいで行き先を変更し、吊り橋の先にある秘境の宿を目指す。お宿の雰囲気は最高だが、霊が視える森司は、宿の周りで粗末な着物姿の子供の幽霊を目撃する。なるべく気にせず、片想いのこよみとの旅行を楽しんでいた森司だが、吊り橋が落ち、皆で宿に閉じ込められ…。シリーズ初の長編、青春オカルトミステリ第8弾!
著者等紹介
櫛木理宇[クシキリウ]
1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。瑞々しいキャラクターと読みやすい文章で、読者モニターから高い支持を得る。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bookkeeper
102
★★★★☆ 再読。副部長の藍の卒業旅行で温泉に向かったオカ研の面々。吹雪で陸の孤島と化した集落は旧くからの因習が残り、生者と死者の境界が低い場所だった…。 森司君とこよみちゃんの仲は進まないのに周囲の時間はきちんと進む青春オカルトシリーズ第八作。一冊で一話が完結する長編です。怪奇現象より甘々なシチュエーションでダメージを受けてる森司君達が微笑ましいです。集落の登場人物の名前と血縁関係はきちんと理解しつつ読みましょう。ぼけーっとしてると分かんなくなっちゃうから。 「へんじゃない。灘は今日もかわいいよ」2021/11/14
まりも
89
久しぶりの新刊。藍先輩の卒業旅行として温泉地に向かったオカ研の面々が、猛吹雪によって予定を変更して泊まった村でトラブルに巻き込まれる話。田舎が舞台なだけあって、ドロドロ具合は中々のものでした。人間関係のドロドロに村特有の因習が加わる事で、これまでとは違ったおぞましさがありましたね。森司とこよみのやり取りだけが癒しやで。逃避行の中で男を見せたりといよいよ来たか!と思ったら、案の定な結末には残念だったけど、何か安心しました(笑) いい加減二人がくっつく所を見たいし、次巻こそ森司には頑張って貰いたいですね。2015/10/25
☆ゆう☆
87
このシリーズも早いもので8巻目とのこと。藍先輩の卒業旅行を兼ねて温泉に出かけたオカ研メンバー。因習が残る村で起こる異様な出来事、昔話の言い伝え、なんでもありの血縁関係。田舎特有の閉塞感が漂ってきてゾッとした。古いしきたりに縛られる集落の人たち、人間と霊が近い距離で存在している村の雰囲気も気味が悪い。ホラーとオカルトにカルトっぽさが加わり、いつも以上に濃くて読んでいてキツかった。肝心の森司もこよみの関係はやっぱり進まない。最後まで二人の行く末を見守りたい気持ちはあるけれど、若干飽きてきた。(iBooks)2015/12/05
NDS
84
クローズドミステリーにガチオカルトが関わってくるのに、パニックホラーにならないのは、オカ研の為せるわざか。誰がお化けで誰がお化けじゃないか、まるで人狼ゲームに参加しているようでした。お化け見えない組は、この顛末がどのように映ったか気になるところです。 吐き気をもよおす『邪悪』ではないですが、本作に登場する村の男性の性質の悪いこと。閉鎖社会は恐ろしい物です。2016/01/02
よっち
83
藍の卒業祝いで温泉旅行に出かけたオカ研の面々。吹雪で行き先を変更した温泉宿で吊り橋が落ち、皆で宿に閉じ込められてしまう第八弾。黒沼家とも関わりのある、森司が着物姿の子供の幽霊を目撃するような場所で、村に残る瓜子姫伝説や祭りを巡る騒ぎに巻き込まれていく中、逃避行でこよみを守るべく奮闘した森司は男を見せましたね。男らしいセリフもあったりで二人一緒に恥ずかしいセリフにお互い悶えたり、わりといい雰囲気になったり、最後でおおっ!ついにと思ったのに。。。次こそ、次こそ期待していいんですよね?ほんと楽しみにしてますよ。2015/10/23