出版社内容情報
現代のネット社会に潜む問題を提示した、ドイツ発社会派サスペンス!
巨大ネット企業の問題を世に告発する謎の組織、「ゼロ」。彼らの正体を探るシンシアは、次第に世界中の監視の網から逃れられなくなっていく……。若手ドイツ 人作家による社会派サスペンス。
内容説明
匿名グループ「ゼロ」の目的は、世界中に多数の会員を有し、人人のあらゆる情報を収集・分析する巨大ネット企業フリーミーの実態を世に告発することだった。ジャーナリストのシンシアは「ゼロ」に関しての調査を進めるが、次第に世界の監視の眼から逃れられなくなっていき、遂には巨大組織との対決を余儀なくされていく。現代の情報化社会に警鐘を鳴らしドイツ中を熱狂させたスリラー、遂にクライマックスへ!
著者等紹介
エルスベルグ,マルク[エルスベルグ,マルク] [Elsberg,Marc]
1967年、ウィーンに生まれる。オーストリアの日刊紙デア・シュタンダードのコラムニストとして活躍し、現在はウィーンとハンブルクの広告会社で戦略コンサルタントおよびクリエイティブ・ディレクターを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RIN
24
帯だと「監視社会への警告の書」とあるが、現代は安全・治安の安定>監視、と既に価値観が変化してきているように思う。本作を読むと自分がひどく年寄りになってしまった気がしてくる。IT機器に身を委ね、自分のデータを丸裸に企業や国家に委ねることに抵抗感を持っていること自体が時代に取り残されているような気がすることが逆に恐ろしい。旧ソ連や中国のような国家が強大な権力を持ちまさに監視社会である国に嫌悪感を持っていたはずなのに、西側諸国ほど個人データを国に管理されるシステムが出来上がっていることの皮肉に眩暈がする。2016/11/11
siva
22
インターネットにつながることによって何もかも全てが監視されてしまう社会。決して小説の中だけの話では無いということがかなり恐ろしさを感じる。シャイアラブーフが出ていたイーグルアイを思い出した。。テクノロジーの進歩は両刃の剣。スマホなどのデバイスを持っていなかったとしても最近急激に数が増えている監視カメラで自分がいつどこで何をしているかわかる人には分かってしまうんだよね。ゼロの正体が曖昧なままなのはネットの中の顔のない集団という象徴か。まさにアノニマス。2016/04/29
RINKO
21
面白かったけど、怖かった。遠い未来じゃないような気がして。でももうちょっと皆モラルがあることを信じてます。そして私たちの慎重さも。2016/02/02
tom1969
8
映像を意識しすぎたのか途中からアクションになってきたため、終盤が納得いかない。もっとリアルにマインドコントロールが一般的なモバイルアブリで策動され、依存化しているところまできていることの警鐘でも良かった。ゼロ集団がネットの帯域で非活性のように全貌が見えないのは了解でしたが。映画になったら観ます。2016/01/12
ロックイ
4
すごい世界になったものです。この一言に尽きます。小説ですから虚実入り交じった話ですが、いつでも誰かが誰かを監視しあい情報がまるで空気のように至る所に漂って吸い込む事ができる。そんな世界になりつつあるかもと思わずにはいられません。良い悪いは結局個人の価値観に委ねるけれども、その価値観を作るのが情報で、その情報を作るのがテクノロジー。だとしたら、その情報を信じ、頼り、依存してしまったら、それは自分の価値観が決めたと言えるのか。シンと同じように疑心暗鬼が生まれ、答えには辿り着けず、うやむやになりながら読了です。2016/06/26
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