内容説明
一九九八年の夏休み。異能の美少女・見崎鳴、十五歳。恐るべき“災厄”が続く夜見山をいっとき離れ、両親とともに緋波町の別荘にやってきた鳴は、かつて夜見山北中学の三年三組で同じ“現象”を経験した青年・賢木晃也に会うため、彼が住む“湖畔の屋敷”を訪れる。ところが、そこで鳴が遭遇したのは、三ヵ月前に謎の死を遂げた賢木の幽霊だった―!死の前後の記憶を失い、行方の分からない自分の死体を探しつづけていた幽霊と鳴の、奇妙な秘密の冒険が始まるのだが…。
著者等紹介
綾辻行人[アヤツジユキト]
京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。1987年、在学中に『十角館の殺人』で衝撃的デビューを飾り、いわゆる新本格ムーブメントの契機となる。1992年『時計館の殺人』により第45回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
60
傑作の本編からのスピンオフは、見崎鳴の夏休みに出会った幽霊との体験談。 不可解な死を遂げた賢木晃也は幽霊として鳴と出会い、自分の死体を探す旅に同行することに。 流石にミステリやホラーのレベルは下がってはいるが、それでも巧妙に伏線はばら撒かれているし、明かされる事実には一定の驚きがある。 だがそれに対しての理由付けがしっかり出来ているので納得できる。 同時に繊細な感情が見て取れる余韻が残る。 それが3作目のAnother2001に、どう引き継がれるのか楽しみだ。2020/12/16
ゆかーん
41
アナザーの番外編。見崎鳴の探究心に驚愕です!彼女が冷静に淡々と事件を解決してゆく姿が見ものでした。夜見山北中学事件の調査として、かつて同じ現象を経験した青年・賢木晃也の元に現れた、見崎鳴。彼の素性が明らかとなるかと思いきや、突如彼は自殺してしまいました…。そこからは彼自身の視点から物語は語られ始めます。何故自分は死んだのか⁉︎過去を思い返すことによって徐々に明かされていく真実。あぁ、彼はもう一人居たんだと悟った時、もう一人の僕の『大人になりたくない』という心からの叫びが、切なく胸に響きました。2015/08/09
きっしぃ
34
ハードカバーで既読だけど、軽装版にはインタビュー付きと知ってこちらで再読。まぁ、オチは覚えてるんだけどー。2001は、この想君が夜見山で3年3組になるっていう話ねー!これで今月発売の新刊読む準備は万端!!2020/09/05
Yobata
17
単行本既読なので再読。遠田志帆さんのイラスト表紙もAnotherらしいけど、いのぢさんのイラスト表紙もやはりいいなw見﨑鳴が夏に訪れていた別荘で起こったもう一つの「サカキ」の話。過去にあの三年三組の災厄に見まわれ生き残った賢木晃也との死体探し。本編のAnotherとは違い、次々に迫り来る恐怖に対するスリリング作品ではなく、死体探しというミステリ作品だったが、伏線などの仕掛けなどはさすがで本編の世界観を崩してないね。鳴ちゃんは今回は探偵役。クールなんだけど中に熱いものがあるのはさすが、良い子だねw2014/12/20
ひろみ
13
文庫になるまで待とうと思ってたけど待てずに購入。どうもアニメの萌え系デザインがピンと来なくてどうだかなぁと思ってたのはとんだ杞憂だった。綾辻先生の文が本当好きだと再認識。しっかり引っくり返してくれるところもあって、巻末にはインタビューと対談もあったから嬉しい。見取り図欲しいなぁと思って読んでたけど、読み終えた今ではこりゃ見取り図は無理だな、とww 続編も楽しみ。2015/06/26