内容説明
腕に覚えのある北辰一刀流の剣を捨て、写真師となった元幕臣・志村悠之介。「西郷隆盛の顔を撮れ!」という密命を受けた悠之介は、仕込み刀と写真機を携えて鹿児島に潜入する。そこで悠之介を待ち受けていたのは、美しい女写真師、正体不明の暗殺者、“人斬り半次郎”こと桐野利秋ら、一筋縄ではいかない者たちだった。果たして悠之介の“盗撮”は成功するのか?西郷の写真をめぐって謎と陰謀が交錯する、圧巻の長編時代小説!
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒。93年に「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
56
写真の技術の進歩の状況や光線画についての記述も興味深かったが桐野、西郷の魅力全開の作品だった。噴煙を上げる桜島と青い空を背景にした少しシャイな西郷隆盛の写真が見たかった。2020/08/13
一五
10
風野さんにしてはまあまあ。志村さん剣豪というほど強そうに書かれてない。 あと2冊出てるし そのうち2025/05/27
Ayumi.I
5
時代が時代なら剣豪として名を馳せることができたかもしれない。しかし、明治の時代になって叶わぬことになった。そのことにもがきながら、写真家として生きる悠之介の心が読み取りやすい。盗撮と言うにはあっさりしすぎた感もあるが、謎解き仕立てでおもしろい。2015/02/24
kazukitti
4
維新の元勲のアレな話はリアルでもフィクションでもフツーにあるんで、キャラを掴んでるとそーゆー二次創作的なノリがおもしろいかもね。しかし、義経とか新撰組とか西郷とか日本人は負けサイドにロマンを見出すよね。主人公と人斬り半次郎の対決はちょっとよかったけど、結局西南戦争で死んじゃうんだから、もう少し西郷と桐野にスポット当ててもよかったかも。まーあのちょっとだけだから逆にソコが写真の一瞬みたいに光るのか。盗撮エピソードそのものはともかく、歴史の舞台としての美味しいところは親友にもってかれたのかな。2015/09/09
さきとし
3
明治初期の動乱を薩摩へ潜入した写真師の視点で描かれた作品。というよりは、身分を捨てても剣を捨てずに写真師になった若者が西郷大将の実像にせまる作品。当時の写真技術も知ることができよかった。写真の力は良くも悪くも絶大であるのは、今も変わりませんね。2017/06/30
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- 和書
- 許されようとは思いません