内容説明
中学2年生の柊也は、クラスメイトの翼に誘われて渋々行った中華街で無銭飲食の罪を着せられてしまう。困った柊也がとった行動は…(「気分上々」)。“自分革命”を起こすべく親友との縁を切った女子高生、8年前の“あの日”を忘れられない女性、一族に伝わる理不尽な“掟”に苦悩する有名女優…。毎日をもがきながらも一生懸命に生きる人たち。これまでに発表された短編から選りすぐった、元気と勇気をくれる9つの人生物語。
著者等紹介
森絵都[モリエト]
1968年東京都生まれ。早稲田大学卒業。91年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で路傍の石文学賞、『カラフル』で産経児童出版文化賞、『つきのふね』で野間児童文芸賞、『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞。2006年『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
131
中学生の淡い恋心から、熟した大人の恋愛まで。掟、因習、遺言、こだわり。男も女も些細なことに縛られて、その束縛感がイヤで抜け出そうと自分革命に乗り出す。でも結局は、そのしがらみが自分自身の価値観の大切な根っこだということに気づく。なにもかわっていないけれど、すべてが大きくかわっている。その瞬間、男も女も恋に落ち、あるいは恋の意味を悟る。切れ味鋭いショートショートに、コミカルな若者言葉、さらにはフランス映画のように洒脱な一代記まで、短編の女王が繰り出す技の数々に、わたしもすっかり魅せられる。気分は上々である。2017/12/04
さてさて
120
高校生が主人公となる世界、外国が舞台となる世界、そしてファンタジーの世界まで登場するこの作品。この作品一冊の読書の中で、そんないろんな世界を一度に楽しむことができました。人の人生は有限です。読書にかけられる時間にだって限りがあります。同じ時間で、色んなものを、色んな世界を、そして色んな人々の生き様を見ることのできる短編集の世界。そんな短編集ならではの魅力をとても感じた作品でした。2020/10/19
hiro
107
9編からなる短編集。「彼女の彼の特別な日 彼の彼女の特別な日」「ブレノワール」「ヨハネスブルグのマフィア」の3編はアンソロジーで既読だったが、今回テーマが決まったアンソロジーで読んだときとは、少し違った感じを受けた。運命のようなもの(因習、ルール、遺言など)に反発する、逆に従うという話が多いが、さてラストは…。登場人物の年齢、性別はさまざまで、そしてラストもさまざま。気楽に読めて、十分楽しむことができた。2015/11/28
りゅう☆
96
自分革命のために親友と絶交ってハチャメチャだけどホッコリしたり、8年前のたった1日の「本物の恋」の秘密に驚き、一族の宿命の呪縛に囚われず幸あれと願う女の生き様の強さを感じ、故郷を捨て母と死別したが人生を着実に歩んできた男が母に認められた時は心いっぱいになり、始めから終わりが透けていた恋と分かって落ちたけどやっぱり…でもちょっと理解しがたく、死んだ父の遺言を貫いてたんだけどあれよあれよの寄り道と母への報告にクスっとなり。楽しい、悲しい、笑える、切ない、感動。色々な感情に浸れる短編集。得した感アリで気分上々!2021/05/23
さおり
89
くすっと笑えたり、うるっときたり。どれも良かったけど、特に好きなのは「彼女の彼の特別な日 彼の彼女の特別な日」「17レボリューション」「気分上々」。ちなみに私は20パ対称。旦那さんは、軽蔑の限りを尽くされるゼロ対称でした。2015/05/03
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