出版社内容情報
家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の刑事からあるチームに誘われ、組織の謀略渦巻くイベントに潜入する。孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編!
内容説明
家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の警視正に、極秘の捜査チームへ誘われる。“本社”という組織が麻薬売買目的で企画する音楽イベントへの潜入を命じられたタケルは、会場で二人の若者―中国残留孤児三世としての鬱屈を抱えるホウ、復讐のためイベント企画者の恋人を演じる美少女カスミ―と出会う。孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編!
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年、名古屋市生まれ。慶應義塾大学法学部中退。79年「感傷の街角」で小説推理新人賞を受賞しデビュー。その後、86年『深夜曲馬団』で日本冒険小説協会最優秀短編賞を、91年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、94年『新宿鮫 無間人形』で直木賞、2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞、10年、日本ミステリー文学大賞、14年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞。ハードボイルド、冒険小説を中心に幅広い分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
285
警視庁特殊捜査班直属?の選ばれしカルテット。それぞれ秘められたバックグラウンドのある、彼らの活躍が今後も楽しみ。今作に限っていえば、架空の街「ミドリ町」での事件について、もっと陰惨な描写が欲しかったところ。4人の中でも「カスミ」の過去が気になるがため、続編も探してしまいそうだ。2018/04/14
absinthe
179
面白い。リアリティは感じないが、設定は首尾一貫している。新宿、渋谷、品川、蒲田、その界隈の原題を活写したファンタジーの様でもある。読んでいるといろいろ突っ込みたくなる設定だがそれもまた愛きょう。煤汚れた街並みが浮かぶような描写。これは好みの問題だが、主要人物が若すぎる。2017/05/11
KAZOO
115
カルテットシリーズの文庫版3冊組の第一番目です。3冊目を先に読んでしまい面白かったので最初から読みました。もとは4冊の単行本でそれを2冊づつ文庫にして三冊目を書いたようです。若い人向きの警察小説ですが、主人公がそれぞれいわくある経歴を持っています。世田谷殺害事件のような事件に巻き込まれた少年、中国残留孤児の3世、親を敵視する少女がまとまっていく様子が前半、後半は川崎の幼児殺害事件を3人で解決し結束が固まります。さあっと読めてしまいます。2018/04/09
紫綺
65
単行本「カルテット」1と2の合体本。悪をもって悪を制すワイルド7的なハードボイルドストーリー。2020/05/03
ぱふ
31
タケル、ホウ、カスミの不良3人組が大活躍する話です。不良の少年探偵団といった感じです。大沢さん自身がリアリティは二の次で書いたと言っているとおり。スピーディで力強くてカッコいいです。とにかくスカッとします。2020/10/30