内容説明
西暦2112年。人間の心理・性格的傾向を数値化し、犯罪係数が上昇すると“潜在犯”として捕らえられるようになった世界。システムを維持するために集められた刑事たち―潜在犯でありながら捜査の前線に立つ猟犬“執行官”と、キャリアであり執行官の手綱を握る“監視官”。新人監視官・常守朱は特殊拳銃“ドミネーター”を手に現場を駆ける。本書には、朱たちに立ちはだかる男・槇島聖護の内面が垣間見える追加シーンも加筆。
著者等紹介
深見真[フカミマコト]
熊本県生まれ。小説家、漫画原作者、脚本家。『戦う少女と残酷な少年 ブロークン・フィスト』で第1回富士見ヤングミステリー大賞を受賞しデビュー。『アフリカン・ゲーム・カートリッジズ』でカドカワエンタテインメントNext賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
137
PSYCHO-PASSが放映されてもう10年以上か。攻殻機動隊が放映されたのが28年前。近未来SFの極上の作品は10年に1作品出るか出ないかの確率ですね。本書は大きな2つの事件が記載されています。タリスマン、スプーキーブーギーなどアバターのホログラムが登場し、中の人が殺されていく事件と「標本事件」の模倣犯の王陵璃華子からその後ろ盾の100歳を超し脳と神経以外全身機械化した狩猟マニアの著名人、泉宮寺の狡噛との対決。アニメ1期そのものです。槙島聖護とシビュラシステムが少しずつ明らかになってきました。いいですね2023/05/14
藤月はな(灯れ松明の火)
72
書下ろしは新編集版の追加カット。アニメ未視聴の時は単行本を背景把握のために必死に読んでいましたが、再読したら情緒を排した文章の流れの悪さに手こずりました。特に登場人物達の台詞はアニメを観た方が表情や仕草、声色から分かる心情の変化が分かりやすいです。それにしても璃華子の「骨も美しいだろう」という描写が後に殺害されてその骨が象牙と思えるほどのマウスピースになったのと繋がるのが怖い・・・。一方、グソンの語る解体のコツに「確かに鶏肉は筋より皮の方が切りづらいわ・・・」と一瞬でも思ってしまった自分も嫌になりました。2014/08/29
ごま
66
世界観をいまいち理解せずにアニメを視聴していたので、補完的に読みました。執行官と監視官の違いすらよくわかっていなかったのが、これを読んでよくわかった。なぜかイマイチ印象が薄くて特に心に引っ掛かるキャラではなかったのに、サイコパス関連ノベルを読んでいくうちにかがりが好きになってきて、かがりと朱が一緒にいるシーンが姉弟っぽくてかわいく思えてきた…。彼は若いムードメーカー的な人物かと思ったら意外と重たいものを抱えていることもわかってしんみり。2015/01/27
よっち
65
西暦2112年。人間の心理・性格的傾向を数値化し、犯罪係数が上昇すると潜在犯として捕らえられるようになった世界。新人監視官として配属された常守朱がとても真っ直ぐな性格で、潜在犯でありながら捜査に関わる執行官の狡噛や征陸と組んで凄惨な事件に関わりながらも、それに染まらないまま着実に成長していってるなーと思っていたんですが、最後に対決した槇島が今の社会システムを真っ向から否定する存在で、それを突きつけられて下巻でどうなるのか期待。映像なしで読むだけだと近未来の舞台設定がやや難解と感じましたが、面白かったです。2014/12/08
シ也
53
【再読】ソフトカバーが出た時に購入して読んだが、ドミネーターの表紙がかっこいいのと安く入手できたので文庫版も購入。旧刑事課一係、懐かしいなぁ... 。朱ちゃん、初々しいなぁ... 。と感動。好きなキャラたちがまだ存命なので、活躍を追っていると泣けてきそうにすらなる。内容の感想は下巻で2016/02/19