角川文庫<br> 落花流水

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角川文庫
落花流水

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041019566
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



山本 文緒[ヤマモト フミオ]
著・文・その他

内容説明

早く大人になりたい。一人ぼっちでも平気な大人になって、自由を手に入れる。そして新しい家族をつくる、勝手な大人に翻弄されたりせずに。気性の激しい若い母のもとで育った手毬。犬のジョンと、隣に住むジョンに似たアメリカ人の男の子が、無二の親友だった。父親不在の家庭にやってきた新しい義父を通じ、人のぬくもりを知る手毬だったが。思うままに生き、変転を続ける女性の60年にわたる人生と家族、愛を描く。

著者等紹介

山本文緒[ヤマモトフミオ]
1962年神奈川県生まれ。OL生活を経て、人間関係の繊細なずれから生じる喪失、慈しみをテーマに作家活動を続け、現在に至る。『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞を、『プラナリア』で第124回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

162
『根拠など何もないのに、いつかはいい仕事にありついて、いい人と結婚して幸せな家庭をもって、望んだ通りの生涯を送れるものと何故思っているのだろう』。私たちそれぞれの家庭が置かれた環境は異なります。それぞれの人生は一様ではありません。この作品では『幸せを感じたり不幸だと嘆いたり、いろいろな感情にしたがって生きて』きた手毬の60年の波瀾万丈な人生を見ることができました。”物事の衰えゆくこと”を表す「落花流水」という書名を冠したこの作品。読み終えて、幸せな人生とはなんなのだろうか。ふとそんな風に感じた作品でした。2021/11/17

aoringo

94
一人の少女とその周りの人達の複雑な人生。家族だったり恋人だったり誰かの愛情を求めずにはいられない。そしてあんなに欲しかったのに手に入れると逃げたくなる。結構パンチが効いていたけど後味は悪くなかった。どこまでも闇堕ちしておかしくないのにギリギリのところで救いがあるのは、自転しながら公転するに繋がる気がする。落花流水をググってみました。「物事の衰えていくこと。時がむなしく過ぎ去ること。また相思相愛の状態」まさにまさに!タイトルが全てを物語っていた。2022/11/27

kei302

61
KindleUnlimited ◇ 歳を取ってからのほうが味わえる作品がある、そう思わずにはいられない作品。 1999年に出た本。37歳の文緒さまが描く「花は散り水は流れ去る」女たちのありよう。 住まいはどこかと孫に尋ねられ、今は男のところにいると答える84歳の律子さん、格好いいです。文緒さまにも、こんなふうに格好良く年をとてほしかった…2022/01/18

olive

43
自分の居場所はここではない。明日はのことがわからないのなら...思うままに生きようと、夫も娘も捨て出奔する女性の一代記物語。逞しく生き抜く女性の一生を描くといえば朝ドラ。朝ドラもびっくり!朝ドラの逞しさと潔さの斜め上をいく!?やっぱり山本作品だわ。一筋縄ではいかないよん。愛のすばらしさや愛おしさではなく、愛の無情さに魅せられた一冊でした。2022/02/26

niisun

24
奔放に生きた女三世代の物語。桜木紫乃さんの『ラブレス』を彷彿とさせますが、『ラブレス』の圧倒されるような感じはなかったように感じますねぇ。代々の母娘の間で起きる出来事は一見、破天荒ですが、それぞれに皆あっさりしていて淡白ですね。まあでも、その分、次の展開が楽しみで一気読みな作品でした。山本さんの作品は初めてでしたが、物語がすっと入ってくる感じは好みなので、直木賞受賞作の『プラナリア』や、吉川英治文学新人賞の『恋愛中毒』も手に取ってみようかと思いました。2015/04/22

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