内容説明
仕事を辞め、幼い頃に暮らした街に帰ってきた亜樹。しかし、大好きだった商店街はシャッター通りになり、映画の上映会をしていた喫茶店「メリエス」は店を閉めようとしていた。亜樹は「メリエス」の店主の野川さんに身の回りの不思議を相談しつつ、最後の上映会を行う。そして、映画のなかの少女に自分を重ねるうち、商店街を昔のようにもどそうと決心していた…。優しい時間が流れる喫茶店で紡がれる、謎解きと再生の物語。
著者等紹介
山田彩人[ヤマダアヤト]
1967年東京都生まれ。2011年、「眼鏡屋は消えた」で第21回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
61
連作短編集。緩い日常の謎系って感じ。各話の最後に上映会でほっこりする。2014/09/10
ともとも
29
喫茶店で、映画(コアな作品から、有名な作品まで)の上映会って、 新鮮な響きだったのですが、読んでいてとっても 素敵だなぁ~と思わされてしまいます。 謎を深めさせながらも、一方で、人の抱えている闇、人の繋がり、心の温かさが 文章から感じられてしまいます。 それだけに登場人物や物語に活気があって、そして、最後には、救いや奇蹟があって とても素敵な1冊で良かったです。 2016/04/22
み
23
感想読んだなぁと手にした作品、たぶん初読みの作家さん。さくさくと♪商店街ラブなので、応援しながら読んでました。んでも、お話しは、何となく読了(^^;2018/04/04
むつぞー
20
少しの日常の謎もありますが、メインはシャッター街町興しと映画の連作短編集。 映画の上映会をする喫茶店「メリエス」みたいな場が身近に欲しいなぁと思ってしまいます。 その喫茶店を続けること、そこから商店街の復興と…そんなに上手くいくか感じもあるし、いろんな要素を詰め込んでいるので、全体的にぼやけてしまった感もあります。 でもいろんな意味でいいなぁ~と思ってしまいます。 2014/09/28
エドワード
17
幼少時からテレビっ子の私が初めて見た映画は不明だが、映画とテレビが明らかに異なる文法を持つことはよくわかる。テレビに感動することも確かにあるが、映画の感動は圧倒的だ。「キネマの神様」の感想文に書いたとおり映画館とDVDとの違いも天と地の差だ。「小暮写真館」「思い出のとき」など、最近シャッター商店街が舞台の<日常の謎解き>物語をよくみかける。私自身、商店街に愛着を感じつつも、実際の買い物は大型店舗。この本も大型書店で購入した。仲間と集う喜びは理想だが、匿名の人間でもありたいという矛盾は都会人の性だろうなあ。2014/09/01