内容説明
警視庁捜査一課所属、自称酒豪、宮藤希美。彼女には奇癖があった。一度スイッチが入ると、ところかまわず妄想の世界に没入してしまうのだ。もちろん、捜査中とて例外ではない。だが、これが謎のバーテンダー・御園生独にかかると、なぜか辻褄のあった推理に翻訳され…?電車の網棚の置き去りにされた人間の手首の謎、ナース服を着た外国人男性の死体の発見…不可解な事件も、モーソー推理でズバッと解決(するかも?)!本格ミステリの名手が、本気で贈る包腹絶倒ミステリ!
著者等紹介
鳥飼否宇[トリカイヒウ]
1960年福岡県生まれ。九州大学理学部生物学科卒。18年の出版社勤務を経て、2000年に奄美大島に移住。01年『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bugsy Malone
52
著者の「昆虫探偵」が非常に良かったので読んでみた。自分の妄想から事件のヒントを得る女刑事が主人公の連作短編。上司が美少女オタクという設定も、チョイチョイ入るユーモアも面白く、推理小説マニアがニヤッとする部分もあったりで、トリックやドラマを味わうよりも、そんな遊び心を楽しむミステリーでした。2016/07/28
hnzwd
37
トリッキーな作品が多い作家という印象だったので、直球過ぎて逆に驚いてしまいました。テンションが上がると妄想が暴走してしまう癖のある女性刑事が主人公。脈絡なく突散らかる妄想推理を謎のバーテンダーが一言助言して真相に、というスタイルで、安楽椅子探偵ものではあるんですが、、そこに一捻りという感じかな。キャラクターは立ってるので、続編もありそう。2014/10/08
宇宙猫
31
挫折。俳句とか電車の時間とかトリック細かすぎてあきる。突然の妄想にもついていけない。妄想のきっかけがイラストにされてたら一緒に妄想できたかも。2015/12/27
うえぴー
20
息抜きに軽いやつを1冊、と思って読み始めたけど、思わぬ拾い物でした! 妄想癖のある女刑事と、美少女フィギュア収集が趣味の上司の掛け合いが面白く、「やっぱヒウさんは軽妙洒脱だな」と読み進めていくうち、心の中で姿勢を正しました。張り巡らされた伏線、短編にはもったいない重厚なトリック、連作ならではの仕掛け。毎回出てくる横溝正史ネタも面白く、ある仕掛けには終盤まで気が付かなかったのが悔しい。ヒウさんを甘く見ていた私が悪いですね。次から心してかかります。続編も買っておいてよかった。2017/03/09
瀧ながれ
19
短編小説なので、作品ひとつひとつがコンパクトにできている。タイトルに「妄想」とあるので、妄想描写がもっと濃くてもいいんじゃないかなー。男性キャラクターも多いのに、好みのタイプがいないのはさびしかった!(笑)続編があるということは、ヒゲのバーテンダー、また出現するのか。もしや霊の人ではないのか?2015/07/12