出版社内容情報
授かった3人の子は、それぞれタイプの異なる障害児だった。個性的すぎる息子たちと大変だらけの子育てを「悲惨なことを笑いに変える」センスを発揮し楽しんでいく佐々木夫妻。どこまでも明るい20年の記録
内容説明
平凡な夫婦が授かったのは3人の障害児だった。長男の洋平は77000人に1人の重度心身障害で首もすわらない。次男ダイは他人との精神的ふれあいが苦手な高機能自閉症。三男航は知的障害もともなう重度の自閉症。“ふつうの子育て”のセオリーは一切通用しない。それでも佐々木家は「悲惨なことほど笑いに変える」センスを発揮して、毎日ゲラゲラ、ドタバタ生きていく。大笑いしてホロリと泣ける珠玉のエッセイ。
著者等紹介
佐々木志穂美[ササキシホミ]
1963年広島県広島市生まれ。広島女学院大学短期大学部家政科卒業。エッセイスト。2003年「母から子への手紙コンテスト」大賞受賞。著書に、第25回新風舎出版賞大賞を受賞した『さんさんさん―障害児3人子育て奮闘記』(新潮文庫)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鈴
34
まずはタイトルに驚いて手に取る。「障害児3兄弟??」長男は重度心身障害、次男は高機能自閉症、三男は知的障害をともなう重度の自閉症。障害をもつ子どもを1人育てるだけでも大変だろうに、その大変さを笑いにかえて楽しく読ませてくれる。だけどその笑いの裏には数えきれない涙もあっただろう。2014/04/03
さおり
34
今まで知り合ったいろんなお母さんお父さんが次々頭に浮かぶ本でした。重症心身障害児施設に5年、自閉症関連の施設に10年弱勤めてますので。人生は、運命は、いろいろですね。「オランダへようこそ」の話で言えば、私はついぞ、日本から出られんかった。イタリアに行きたかったけどオランダに行った人は、外国に行けたって意味では十分すてき。けど最近、日本から出られんかった私も、結構この生活を楽しめるようになったような気がしてます。って、何の話だっけか。2014/04/02
seraphim
19
読友さんご紹介本。冒頭の「父さんから 洋平への手紙」で落涙。重度は異なるが、障害を持った3人の子ども達を育てる母が書いたエッセイ。「悲惨なことほど笑いに変える」という、明るく逞しい日々の暮らしが描かれていた。毎日をその時々のベストを尽くして生きる、私にはできていないかもしれない。解説で玄侑宗久氏が「懸命に生き、ていねいにゴールとして受け入れ、そして「ちゃんと」見送ってもらえるのが死であるなら、べつに取り乱す必要もないではないか。」と述べている。人それぞれの生と死があるが、私も私なりの生を送らねばと感じた。2016/08/17
にゃんた
16
生まれてきた子全てに障害があるというのは厳しい現実であることは間違いない。 しかしこの母が言ったこの5人が家族だよと決めてくれた運命に感謝して、ていねいに生きたいという言葉のように、家族が寄り添い、考え、悩み、しかし前向きに生きる姿がいい。小さな幸せに人は生かされている。そして次々とやってくる現実を受け止め進んでいくしかないのだなあと思う。2019/01/13
nico
9
読みだしたら一気に読了。「ホントウだったら」と自問し続けた頃から、長男が成人するまでのエピソード。長男は重度の障害(立つことも歩くことも発語もない)、二男は高機能自閉症、三男は重度の知的な遅れを伴う自閉症。その日々を書き記すことが、きっと作者にとって客観性を保つ方法だったんだろうと感じた。一つ一つのエピソードは、笑えたり、泣けたり、辛かったり色々だった。重度の自閉症の子の自他傷は、想像よりすごいものだということを知った。これだけのいわゆる「普通」とは違う困難の中にも、普遍的な「親の気持ち」がたくさんある。2014/03/06
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