出版社内容情報
元八丁堀同心の波之進は身内を悪人に殺され、稼業をやめて妹と品川で串焼きの見世を開いていた。ある日、波之進は海の救け組と身投げをした女を助ける。話を聞くとそれは波之進の敵が関係しているらしく……
内容説明
元八丁堀同心の川路波之進は、品川宿の外れで妹の志乃と串の見世を開いている。浜の無事を守る救け組の面々や臨時廻りの跡部、油問屋の隠居ら常連に支えられ、見世は連日大繁盛だ。ある日波之進は救け組の元太と、身投げした娘を助ける。聞くと、兄が黒夜叉という悪党の仲間になってしまったという。どうも黒夜叉は、波之進が同心を辞めるきっかけとなった敵の手下らしく…。四季の料理と心に沁みる人情話で贈る時代長編。書き下ろし新シリーズ!
著者等紹介
倉阪鬼一郎[クラサカキイチロウ]
1960年三重県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社勤務を経て、98年より専業作家。幻想小説、ホラー、ミステリ、時代小説を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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松風
15
「のどか屋」との違いは仇討ちというわかりやすいゴール設定。話言葉に同じ紋切り型表現が多く(「平仄があう」「景色」とか)違和感あり。2014/03/25
むつこ
13
同じ角川文庫の「みをつくし」シリーズ同様の江戸で料理屋さんの新シリーズ。あちらは女主人公が新しい料理を生み出すのに対し、「物の本がいろいろ出てるから。工夫してるんだ」と、男主人公が言ってのけ、ストーリーも単純明快で明るい。主人公の兄妹の志が父の仇打ちと決まっているので人気が出ればいくらでも長く続きそうなシリーズ。どれだけ江戸の町の料理を堪能できるか楽しみ。2014/01/31
ううち
8
兄も妹も強くて、海の男たちも母ちゃんもかっこいい!海と山のお料理がたくさんあって美味しそうだった。南里先生がいい人過ぎて気になる…怪しい…。第2巻が2/25、第3巻は4/25発売だそうです。続き買います!2014/02/08
市之丞
5
読み終わって「面白い!早く次を読みたい」と思う作品は幾つもあったが、「読んで良かった。。。。」と思うのは初めてだ!一つ難があるとしたら、それはティッシュの消費量が増えてしまうことかな?2015/05/02
文句有蔵
5
各々方!根本南里先生の有り難きご講話を、心して聞くべし!学問に打ち込む先生が隣人を重き病いから救うため、たくさんあった難しいご本をまとめて売り払って薬代とした。完治し、感謝する隣人に先生はかく申された。「本をためるという欲に打ち勝つことを教えてくれて、こちらこそ感謝申し上げる」!!……物語は痛快娯楽小説。家庭ですぐにも真似られそうな料理指南もあって、それがまた旨そうで腹が鳴る。技巧としては主人公だけでなく、おみねを取り込んでいるのが飽きさせない。が。「平仄」の使い過ぎが耳障り。全体としては及第点☆2015/01/10