出版社内容情報
殺された社長・堂条をめぐって複雑にもつれあう人間関係。アリスの友人で、堂条の義弟である吉住への疑惑が深まる中、火村は明晰な頭脳を働かせ、真相へと近づいていた! 名探偵の推理が冴える鮮やかな解決編!
内容説明
高級宝石チェーンの社長・堂条秀一殺人事件。その容疑がかかったのは、推理作家・有栖川有栖の友人・吉住だった。彼が警察で語り始めたのは、驚くべき事実。なんと目覚めた時、既に秀一は死んでいたという。動転し疑わしい行動を取ったが、殺してはいない。そう言う彼に、天才的犯罪学者の火村英生は、信じると告げる。更に発見された凶器により、事態は混迷を深め…。手掛かりを求め、火村とアリスが旅に出る、解決編登場!!
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
大阪府出身。同志社大学法学部卒。1989年『月光ゲーム』で作家デビュー。書店勤務を続けながら創作活動を行い、94年作家専業となる。2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yu
73
Kindleにて読了。 上巻は、火村先生とアリスさんのラブラブぶりが印象強すぎだった。犯人候補が二転三転する中、ちょっとずつ事実を話し出す登場人物達。 社会的に成功し、誰からも羨ましがられる存在になっても、本人の心の中というものは本当にわからないものだと思った。 ダリがガラを求めたように、秀一さんも自分のガラを探し求めるあまりに、盲目になってしまったのかなぁ。 トリック自体は大したことない(←失礼?)が、犯罪に至ったそれぞれの心境がなんとも。。。2016/02/06
takaC
71
内容はこの前読んだ単行本や何年も前に読んだ角川文庫と全く同じでした。ただ、なんとなく作為的な挿絵がイメージをそっち方向に誘導するのでよろしくない。拡販目的なんだろうけど大人向けには極端だろう。この「臨床犯罪学者・火村英生の××」シリーズはどれもこんな感じなのか?(他の巻見たことないけど)2014/10/31
Moemi
32
火村英生シリーズ第三弾、解決編。容疑者たちのアリバイが二転三転していくので、勢いのまま、あっという間に最後まで読めてしまいました。犯人については予想の範囲内でしたが、動機は少し意外なものでした。この本を読んで、ダリとガラの生涯についてもうちょっと詳しく知りたいと思いました。しかし火村と有栖川の仲が良すぎて、ある一定の女性読者に対する示唆を感じるんですが…。次巻も早く読みたいです。2016/02/12
ダージリン
32
下巻に入って、怪しい人物が次々現れたり、事情がわかったりで惹き込まれる展開でした。すっきりと謎がとけました(私は推理してませんが・・・笑)。そして作中のアリスの小説を書き始めたきっかけに驚きました。火村先生の過去も知りたい!2013/11/11
ヨーコ・オクダ
28
とりあえず、吉住は殺人に関してはシロ、と。火村たちの推理&捜査が進むにつれて、まぁ、訳アリそうな証言、品物、事実が次々と出てくること!そのどれもが各容疑者をいかにも犯人っぽく見せてくれるが、火村&有栖がきちんと真実を明らかにし、順に疑惑を払っていく。うちは、秀一の遺体からダリ髭が失くなっていた時点である仮説を立ててたんやけど、実際に彼はそこまで思い詰めておらず、もう1つ手前の方法を選んだ、と。そのために起こったアクシデントにより、彼の計画が途切れた結果、残された謎。優子っていろんな意味で罪な女よね。2018/08/31