出版社内容情報
老人介護施設で働く純子は、一生忘れたくても忘れられない女性の担当になった。かつて自分の担任で、給食を無理に自分の口に押し込んだ女の――(「給食」)。「食」と「女」がテーマの傑作ホラー短編集!
内容説明
老人福祉施設のデイサービスセンターに勤める純子は偶然、一生忘れようとしても忘れられない女性の担当になった。かつて、純子が小学生の頃、食べきれない給食を無理やり食べさせようとした女の―(『給食』)。「食い物の恨み」はこんなにも恐ろしい!食事にまつわる怖い話を語る女性たちのおしゃべりが次第にエスカレートしていくさまを描いた「怖い食卓」など、「食」と「女」をテーマにした心理ホラーをあつめた短編集。
著者等紹介
新津きよみ[ニイツキヨミ]
1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
67
新津さん三冊目は「食」にまつわる短編集。ジャンルとしてはイヤミスホラーのようだが、嫌な感じもさほどなく、怖くもない。さらりと読めて後味あっさり。もっとパンチの効いた濃い味が好みだが、たまには薄味もいいかも。それに入れちゃダメな「お裾分け」と座談会のような雰囲気の「怖い食卓」があるあるで面白かった。2019/07/29
kei302
63
好きなものから食べる派です。少量を口に入れてもぐもぐ、飲み込むときにも気をつけます。 『給食』は「分かる分かるそうそう」と激しく共感。 小学校の担任の先生は無理強いするタイプじゃなかったけど、給食の時間は苦行だった。 協調性がないとか、きちんとした大人になれないとか、そんな先生、絶対に許せない。 食に関してはコンプレックスが多いので、ホラーテイストの作品にやたらと共感してしまった。2021/09/08
カナティ
53
ホラー文庫なのでもっと怖いものを想像していましたが、そんなこともなくどれも読みやすかったです。タイトルの「意地悪」がピッタリな少しだけ後味の悪い短編集となっています。中でも「珍味」と「怖い食卓」は不気味で少し気持ちが悪くてゾッとする話でした。とはいえ、全編通して軽めなのでホラーが苦手な人でもサラっと読める内容だと思います◎2013/06/06
たーさん(^-^)
48
食にまつわる短編集でした。 不気味な感じがホラーぽかった。 角川ホラー小説は久しぶりに読みました。 「お裾分け」の最後はゾクリとしました(^-^;2017/05/18
むぎじる
47
じわじわした怖さがクセになる、食をテーマにした8編からなる短編集。「珍味」美食クラブというグループを作り、都会のレストランでおいしいものを堪能してきた香奈が、突然六坂村(通称:長寿村)に移住してしまった。友人の京子がそこで見たものは?「怖い食卓」”食にまつわる怖い話”をテーマに語る女たち。実際ありそうなエピソードと、オチが嫌な感じで怖い。2014/06/28