内容説明
日本の料理を中国に紹介したい、という男が現れた。香港から来日したその男デリックは、店舗で厨房とフロアの業務を黙々とこなし、半年後、渡邉から直接指導を受ける。渡邉の隣にデスクを置き、役員会などすべての会議に同席、社長専用車にも同乗して学び、香港で「和民」を立ち上げる。海外展開の足掛かりとなった。一方で、海外支援や介護・教育へと理想は羽ばたくが、衝突や後継者問題も待ち受ける。起業小説の金字塔。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
作家。1939年東京生まれ。専門紙記者・編集長を経て、75年『虚構の城』でデビュー。以後、綿密な取材に裏打ちされた企業・経済小説を次々に発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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牧神の午後
4
他人のためにどれだけ尽くせるか、言葉として美しい理念ですが、果たしてそれをどれだけの人間に強制できるか。老人介護・福祉、教育の分野にも積極的に関わり、むしろライフワークとしているように思いますが、理念についていけない人間もいる。組織を拡大する局面では、自分たちと違う価値観でもうまく機能させるようにしないと、ムリを通して道理を引っ込めさせる「ブラック」企業と揶揄されることになる。−−ということを、推進する本人がどれだけ意識しているのだろう。美しい言葉だけで他人を従わせることができるはず、という幻想。2013/10/03
みむら しんじ
2
海外出張中に読了。この本の終盤を読んで驚いた。写真家テラウチマサトにかつて僕も同じ言葉を渡邉美樹が掛けられたからだ。「三村さん、屋久島に行くこと以上に大事なことはありません」。そして、渡邉美樹はすぐにテラウチマサトと同行したらしいが、僕は数年後に屋久島に行った。有機野菜、カンボジアでの100校を超える小学校の建設、孤児院の立ち上げ。夢学校の運営。高齢者施設にも命を燃やす。まさしくこれでもか、というばかりの渡邉美樹伝説だが、そこまで語るほどの夢と事業が詰まっているということだ。食傷気味に読み進めたが、読後に2013/03/17
OMO
1
面白さ:△ 興味:○ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2022/02/18
笹目ゆー
1
サイドビジネスというか、人のために何かをずっとしてきたという感じ。続編あるとしたら、議員のこととかにも触れるのかな(ないだろうけど2015/09/30
ポケット
1
ほんとにすごい人だと思うけど、働く立場からみたら ついていけない 2013/08/17