出版社内容情報
ミステリ史上最高の名探偵、エラリー・クイーンの活躍劇第2弾!〈フレンチ百貨店〉のショーウィンドーの展示ベッドから女の死体が転がり出た。そこには膨大な手掛りが残されていたが、決定的な証拠はなく……難攻不落な都会の謎に名探偵エラリー・クイーンが華麗に挑む!
エラリー・クイーン[エラリークイーン]
著・文・その他
越前 敏弥[エチゼン トシヤ]
翻訳
下村 純子[シモムラ ジュンコ]
翻訳
内容説明
NYの五番街にあるフレンチ百貨店。そのショーウィンドウに展示された格納ベッドから女の死体が転がり出た!殺されたのは百貨店の社長夫人。そのハンドバッグからは不審な白い粉が入った娘の口紅が見つかり、娘は夫人の死と相前後して失踪していた。状況から娘が犯人かと思われたが…。皮肉屋で愛書家の推理作家、エラリーが膨大な手掛かりから唯一の真実に迫る。華麗さを増す名推理。“国名シリーズ”第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
131
国名シリーズ②これぞクイーンという正攻法で論理的に導く消去法推理を堪能♬デパートのショーウィンドウデモ中に死体が転がり出るなんて衝撃的な幕開けをよそに展開されるのは意外にも丁寧で順序立てた捜査。“フランス(French)”や“白粉(Powder)”に騙された気がするけど(笑)殺害場所や時間がそうあるべき事由への立証が素晴らしい!愛書家だから故にされた本への着目も絶品!とにかくシンプルにエラリー目線で不確定要素を潰していくのにもう夢中!最終章60頁の独壇場推理の末に犯人が明かされるラスト一行の斬れ味は抜群!2023/02/11
優希
129
面白かったです。若干地味な感じはありますが、証拠や情報の扱い方が犯人をつかむ手がかりとして効果的に使われている印象を受けました。消去法によって絞り込まれる犯人の条件、最後の1行で全てが判明する流れが美しい。本格推理小説とはこうでないとと思わされるロジックに唸ります。膨大な手がかりから唯一の真実に迫るエラリーの華麗さに魅了されました。2017/01/15
NAO
83
アメリカの警察組織について詳しくないのだが、一般人が警察委員長になれて、捜査に口出ししたり警官に指示したりできるとか。事件当時がまさにそんな状況で、クイーン警視は委員長に勝手をされないよう、捜査は息子任せにして委員長のお守り役に徹している。委員長に勝手はさせたくないが、同じ一般人の息子はしたい放題で彼の意見は最重要視されるというのもどうなのか・・・。さらに、この事件、かなり早い段階で犯人が分かってしまう。それでも懸命に捜査を続けるエラリーの健気さ、クイーン警視の息子への溺愛っぷりが微笑ましくはある。2021/06/16
ぽんすけ
62
今回は百貨店が舞台。事件開始前にクイーン家で愚痴ってた麻薬事件とも絡んできて面白い展開だった。なぜ死体は正午までに見つけられてはまずいのか。これが一番の命題で、数々の物証や論証をもとに少しずつ犯人を追い詰めていくのが面白かった。今回パパはウェルズ委員長のせいで活躍の場が少なかったけど、その分息子のエラリーがきっちりきめてくれました。犯人に関してはこいつ怪しいなと思った人物が案の定犯人だった。この作品で一番気になったのはアパートの構造、床と同じ高さまで沈んだベッドって何?それって畳に布団敷いた状態と同じでは2025/05/01
オーウェン
61
国名シリーズ第2弾はフランス。 フレンチ百貨店の収納ベッドから出てきた女性の死体。それは百貨店のオーナーの妻であり、クイーン親子は事件に取り組む。 死体についている口紅の白粉。 そこから背景に麻薬組織が現れる。 解決はオーソドックスな関係者全員を集めて、犯人の可能性を消去していくという推理を見せる。 そして残された犯人の行動。 ラスト1行で犯人の名前が出てくるので、何ページあるのかとかの確認は厳禁です。2024/05/26
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