角川新書<br> 軍師の日本史

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軍師の日本史

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  • サイズ 新書判/ページ数 376p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784040824741
  • NDC分類 210.47
  • Cコード C0221

出版社内容情報

軍師はいなかった!
実際の黒田官兵衛は現地指揮官、本多正信は行政官僚、山本勘助は足軽大将クラス。
現在の人物像はいつ生まれたのか?
最新研究の実像に加え、虚像の変遷から日本人の理想像の特徴まで暴く画期的論考!

私たちの軍師像の源は1970年代の大衆歴史ブームにある。
山本勘助、黒田官兵衛、太原崇孚、本多正信等。彼らは名軍師とされている。
だが、戦国時代に軍師は存在しなかった。そのイメージの嚆矢は江戸時代の諸葛孔明ブームであり、現在の人物像はわずか数十年前にできたものである。
彼らの虚像と実像から、時代ごとの価値観まで浮き彫りにする。
■武士たちが陣形を作ったかは疑わしい
■『甲陽軍鑑』のなかに山本勘助の実像はない
■越後流軍学は謙信の軍学ではない
■竹中半兵衛が軍略面で秀吉に貢献した形跡はない
■黒田孝高は蜂須賀正勝より格下だった
■京都との人脈・情報網が太原崇孚の権勢の背景
■本多正信は小牧・長久手の戦いでも外交担当
■ベストセラー本と大藩の威光が官兵衛を「軍師」にした
■戊辰戦争で参謀が生まれた
■黙って責任だけ負うべきという「日本型将帥」の陥穽
■市販され、小説家の種本になった参謀本部『日本戦史』
■経営学ブームがマネジメントと参謀を結び付けた
■封建制社会が軍師の誕生を阻んだ


【目次】
まえがき
序章 軍師とは何か
第一部 軍師の虚像と実像
第一章 山本勘助の虚像と実像
第二章 宇佐美定満の虚像と実像
第三章 黒田官兵衛の虚像と実像
第四章 徳川家康と軍師
第五章 軍師と参謀
第二部 戦後大衆文化の中の軍師
第一章 山本勘助と宇佐美定行
第二章 竹中半兵衛と黒田官兵衛
第三章 太原雪斎と本多正信
終章 私たちはなぜ軍師に魅せられるのか
あとがき
主要参考文献


【目次】

まえがき
第一章 軍師とは何か
第一節 日本における兵法
軍師第一号は吉備真備?/中国からの兵法受容/日本独自の兵法書『張良一巻書』
第二節 日本における陣形
律令国家は軍団制を敷き、陣形も導入していた/軍隊から私兵へ。軍団制の廃止と陣形の消滅/武士たちが陣形を作ったかは疑わしい/陣形を作らない理由
第三節 戦国時代の合戦と軍配者
軍配者の登場。「軍師」という言葉すらなかった/軍配者の系譜/戦国大名と軍配者/軍配者は戦術家というよりシャーマンだった/領主別編成と兵種別編成/足利学校は軍師養成機関ではない
第四節 「軍師」の誕生
軍学者の登場/楠正成の人気上昇/諸葛孔明ブームが「軍師」を生んだ

第一部 軍師の虚像と実像
第一章 山本勘助の虚像と実像
武田信玄の軍師・山本勘助は架空の人物?/山本勘助の実在証明/『甲陽軍鑑』の復権と史料的限界/信玄と謙信の一騎打ちはあったか
第一節 山本勘助架空・実在論争
第二節 『甲陽軍鑑』における山本勘助
第三節 山本勘助は「軍師」だったのか?
第四節 甲州流軍学と山本勘助

第二章 宇佐美定満の虚像と実像
第一節 上杉謙信の軍師・宇佐美定行
第二節 実像としての宇佐美定満
第三節 軍学者 宇佐美勝興・定祐父子

第三章 黒田官兵衛の虚像と実像
第一節 豊臣秀吉の軍師、黒田官兵衛
第二節 秀吉を恐れさせた男、官兵衛
第三節 黒田孝高の実像

第四章 徳川家康と軍師
第一節 徳川家康と太原雪斎
第二節 太原崇孚の実像
第三節 徳川家康と本多正信
第四節 本多正信の実像

第五章 軍師と参謀
第一節 幕末の西洋兵学
第二節 近代日本軍と参謀
第三節 参謀の光と影
第四節 「軍師」の再発見

第二部 戦後大衆文化の中の軍師
第一章 山本勘助と宇佐美定行
第一節 井上靖『風林火山』
第二節 新田次郎『武田信玄』
第三節 海音寺潮五郎『天と地と』

第二章 竹中半兵衛と黒田官兵衛
第一節 吉川英治『黒田如水』
第二節 川口松太郎『俺は藤吉郎』
第三節 山岡荘八『異本太閤記』
第四節 海音寺潮五郎『新太閤記』
第五節 司馬遼太郎『新史太閤記』『播磨灘物語』

第三章 太原雪斎と本多正信
第一節 新田次郎『武田信玄』の雪斎
第二節 山岡荘八『徳川家康』の雪斎
第三節 司馬遼太郎『関ケ原』の本多正信
第四節 山岡荘八『徳川家康』と本多正信

終章 私たちはなぜ軍師に魅せられるのか
封建制社会が軍師の誕生を阻んだ/大衆文化の中の軍師/日本型組織の隆盛と大衆歴史ブーム/軍師人気の黄昏

あとがき
主要参考文献一覧

内容説明

山本勘助、黒田官兵衛、本多正信らは、主君を智略で支えた名軍師として知られている。だが、戦国時代に軍師はそもそも存在していない。彼らは現地指揮官や行政官僚でしかなかったのだ。ではなぜ、江戸時代以降にその活躍は語られ、人気を博したのか。また、現在の人物像はいつ生まれたのか。最新研究に基づく実像だけでなく、彼らのイメージの変遷から日本人の理想像の変化と特徴までを明らかにする!

目次

軍師とは何か
第一部 軍師の虚像と実像(山本勘助の虚像と実像;宇佐美定満の虚像と実像;黒田官兵衛の虚像と実像;徳川家康と軍師;軍師と参謀)
第二部 戦後大衆文化の中の軍師(山本勘助と宇佐美定行;竹中半兵衛と黒田官兵衛;太原雪斎と本多正信)
私たちはなぜ軍師に魅せられるのか

著者等紹介

呉座勇一[ゴザユウイチ]
1980年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は日本中世史。現在、国際日本文化研究センター准教授。2014年、『戦争の日本中世史』(新潮選書)で第12回角川財団学芸賞受賞。『応仁の乱』(中公新書)は49万部突破のベストセラーとなった。『陰謀の日本中世史』(角川新書)で新書大賞2019第3位受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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遥かなる想い

69
日本人が好む軍師の存在について、語った作品である。 著名な軍師たちを 一人一人深掘りしながら、 歴史の真実と 世間に広まったイメージとの ギャップを描く。 かつて 日本には 軍師というものが 存在しなかったというのが 著者の論だが、 事実はそうであっても 軍師大好きな私たちで あった。2026/07/08

よっち

22
戦国時代に軍師は存在せず、言葉すら史料に登場しなかった。現在の人物像はいつ生まれたのか?最新研究の実像に加え、虚像の変遷から日本人の理想像の特徴まで浮き彫りにする1冊。江戸期に『三国志』ブームで諸葛孔明が理想化され、司馬遼太郎ら昭和の大衆歴史小説で完成した知略の天才というイメージも実は近代の産物であり、江戸時代以降に形成された軍師像の虚像を丁寧に解説していきながら、軍略の多くは主君自身や複数武将の合議で決まっていた現実を浮き彫りにしていて、歴史認識が時代とともに変化していく様子はなかなか興味深かったです。2026/07/09

nishiyan

16
山本勘助、宇佐美定満、黒田官兵衛といった戦国時代に活躍したとされる軍師たちの実像に迫った新書。結論からいえば、いわゆる諸葛孔明のような主君を教え導く「軍師」は存在しなかった。外交や調略といった文官的な立ち位置の一部の武将が、戦後の大衆文化や企業文化の中で「軍師」として再評価されたというところなのだろう。面白かったのは越後流軍学と紀州徳川家の関係。越後流軍学を伝えた宇佐美定祐のいかがわしさには驚かされるが、彼とその軍学を利用した徳川頼宣の徳川家一門での微妙な立ち位置は興味深かった。2026/07/08

nizi

5
前半部で日本史における軍師と呼ばれている人物の実情はどのようなものであったかを論じ、後半では大衆文学に登場する軍師はどう変遷、消費されたかを論じた本。軍師像の善し悪しではなく、歴史上の扱われ方のみを冷静に書いている。唯一、ビジネス本で描かれた軍師を「プレジデント史観」として皮肉っぽく書いているが、これは歴史に興味のある人間なら一度は言いたくなることなので、仕方ないというか当然。2026/06/15

Mマジパン

3
呉座先生の新刊。絶対面白いのだから妙に一般読者を惹きつけるための題名を付けるのは考え物だ。歴史ドラマで描かれるような「軍師」はいなかった、というのだからなおさらだ。ともあれ、有名な軍師について信頼できる史料の批判的分析から入り、江戸時代の軍学ブームや明治の参謀本部、戦後の歴史小説全盛まで、「軍師」像の変遷について、先生らしく大真面目に検討している。読む側も一家言ある人が多いと思うので読み応え十分だろう。2026/06/22

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